カラテウサギの全て空手で解決するブログ(格闘編)

いい年した中年が、突然格闘技・空手にハマった!というブログです

空手で育成!?小学生6年の空手少女に見た心身の成長!?

空手で成長するってどういうことでしょうか?

先日あった実際のお話です。

 

 

1.生徒の居ない空手道場

最近立ち上げた空手クラブには、私の師範(師匠)の弟子である小学生の子達が数名出稽古?的な感じでやってきてくれます。

師範が気を使ってくれ、自分の生徒に声を掛けてくれたのです。

 

これには訳があって、誰も居ない空手クラブなど、そもそも誰も興味を持たないでしょうし、見学や体験にすら人は来ないと思います。

仮に見学に来たとしても、ひと目見て誰も居ないと帰ってしまうと思います。

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なので、こうして彼ら・彼女たちが来てくれるだけで大変ありがたいのです。

 

なお、この子達が誰も来ないのであれば、私はただ只管に一人で形を打つという練習をするつもりでした。

まぁ、それはそれで良いかなと当時は思っていましたが、クラブの存在自体そう簡単に認知されるわけでもなく、長く先が見えない道のりであったことでしょう。

今もですが、、、。

 

2.空手クラブの初回稽古

さて、初回練習の際に師範から「数名行くよ」と言っていただいた訳です。

一人だとあれなんで、誰か出稽古に来てもらえないかと師範にお願いした結果です。

現れたのは小学5年6年の女子と3兄弟。プラス師範の息子さんと総勢7名の初回稽古になりました。

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実は最初全く気が付かなかったのですが、よく見ると全員私が当時(3年前)娘と一緒に通っていた頃から通っていた子供達だったのです。

よくよく見ると、かなり背が大きくなっていたものの、面影は確かに残っているではありませんか。

3年という時間の流れと、子供たちの成長に心底驚きました。

稽古自体は黒帯の子達が中心なので、割と思い通りに進めることが可能でした。

 

3.空手の成長、身体の成長

2回目、3回目の稽古にも黒帯女子達は来てくれました。

ですが、この子達は本来の道場にも通っており、土曜日の午前はこちらの道場で練習し、夕方には本来の道場でまた練習するというハードな日程をこなす事になるのです。

そして私が居なかった3年の間に空手はかなり上達しておりました。

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さて、いくら師範に「手伝ってあげて」と言われたとしても、流石に毎回来てもらうのは申し訳ない思いです。

なので付添のお母さんにも子供たちにも「無理はしなくて良いから」と話しました。

 

でも、彼女たちは

「楽しいから来ている」

と言ってくれるのです。

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3回目の稽古の際は、ついに付添のお母さんもおらず、自分達だけで自転車で、しかも学区外なのにわざわざ来てくれました。

数年前はお父さん、お母さん達に連れられて空手の練習をしていた子達が「大きくなったなぁ」と思わずにはいられませんでした。

 

同時に折角来てくれたこの子達の役に立つには、どうしたら良いのか?

私はそんな事を思うようになるのでした。

単純に自分が好きだから始めた空手クラブです。

誰に迷惑を掛けるつもりも無いし、自分ひとりが責任を負えば良いという考えが、誤りであったように今は思います。

 

3.少女の提案

3回目の稽古を終えた時でした。

不意に小学6年制の女の子が私に言います。

「毎週、私達が練習させてもらって良いのですか?」

と言うではありませんか!?

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その子のお母さんがどうやら「大人の事情」を心配しているようで、それを受けての発言になったのだと思います。

彼女たちは勘違いをしているのですが、私は大人で一応指導している立場ではありますが、実は「指導者成り立てという生徒」でもあるのです。

更に冒頭にもあったように、空手クラブとして活動することが重要なのであって、会費がどうとか場所代がどうとか、そんな事はどうだって良いことなのです。

本来ならこちらから「ギャラ」を払ってもおかしくない話です。

 

そんな事を話している時に、不意に少女が言い出します。

「じゃあ、チラシを作って私達配ります!」

「絵を書いて、人通りが多いところで!」

私は思わず絶句しました。

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私はこの子達に一言も「人増やしたい」なんて事は言ったことはありません。

そのうち誰か来るんじゃないの?位にしか話していません。

でも、人が居ないときっと私が困るだろうと推察しての発言だと思います。

 

小学生が目の前の大人がきっと困っているだろうから、

手助けしようとか普通思います??

 

ましてや元々一緒の道場で練習していただけの間柄です。

親戚のおじさんでも、親友のお父さんでもなんでも無い私にですよ!!

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少なくとも私が小学生の頃に、こんな思考に至るとはとても思えません。

私の小学生の頃はといえば、友達と一緒にジャンプのドラゴンボールをみて、初代ファミコンのスーパーマリオを遊び、あぶない刑事の再放送を見て、駄菓子屋で買い食いをする、どこにでもいるしがない小学生でした。

少なくとも大人が困っているとか、自分に何が出来るだろうなんて考えもしなかったと思います。

 

4.空手だからこその成長

この違いはどこから来るのでしょうか?

元々その子の性格が「相手を思いやることのできる子」だったのかもしれません。

というか、その可能性の方が高いと思います。

 

ですが環境面では、やはり空手道場に通っていた事は一つ有るのかもしれません。

空手は武道ですから、基本的に礼儀作法といいますか、下のこの面倒は上の子が見ると教えられます。

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自分で考えて、自分で行動するように促される場面も結構あります。

また道場はそれこそ大人から子供までズラッと揃います。

学校の先生以外の大人と接する機会、自分よりも下の年齢の子を面倒を見る機会というのは、普通の小学生にはあまりないような気もします。

 

別に武道に限らず、野球でもサッカーでも少年団チームに入れば、先輩後輩はできます。ただ大人と一緒に練習するという機会はちょっと少ないように思います。

もちろん空手でも、大人クラス、子供クラスで分けて練習する道場も多く有ると思います。

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ですが、私達が通っていた道場のようにごちゃまぜで練習する道場であれば、大人とも接する環境なのかと思います。

身近に大人を感じつつ、自分たちの立場をおぼろげに理解し、人助けと言うか提案までしてくれる。

もしこれが空手の成果で有るというのならば、こんなに素晴らしい環境はなかなか無いのではないでしょうか。

こんな風にもし人が空手という武道を通して成長するのであれば、いつかこういった子供たちが通ってくれる空手クラブになって欲しいなと思う次第です。

 

5.終わりに

確かに集客というか、まずは認知してもらう事が非常に重要なのは私もわかっています。

ポスターを貼る場所もないし、コロナの状況下では大々的に人も集められないし、仮に人が来てくれたとしても、施設が使えないなんて事もありえます。

少女が提案してくれたチラシ配りは、気持ちだけ頂いておきます。

昨今のコロナの状況下、チラシを受け取ってくれる人もなかなか居ないでしょう。

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私のように既に薄汚れてしまった人間であればなんとも思いませんが、実際にはチラシを受け取ってもらう事すら難しいという現実を、小学6年の少女に体験させる訳には行きません。

歌舞伎町のきれいなお姉さんのくれる、怪しげな飲み屋のティッシュですら私は受け取りません。

現実はそんなものなのです。

 

そんな事よりもその思いやりの心を持ったまま、素晴らしい大人に成長して欲しいものですね。

空手クラブの稽古をまだ数回しただけですが、色々と学ぶことが多いなと思う次第です。

武道というものは、本当に学ぶべきことが多いですね!!