みなさんの考える真実は、常に正しいですか?
真実はいつも一つではありますが、その真実は思い込みや勘違いもありえませんか?
何が正しくて、何が間違いか誰が決めるのですか?
私は今回こんな事を考えてしまいました。
という事で、過去の記事をご覧下さい。
で、これを書いていて思ったのですが、客観的に見てというか、自分目線でなかった場合、私は他者から見た場合に、完全にヒールというか悪役であるのではないかという疑問が湧き上がりました。
前回は過去記事のイラストをちょっと「顔とセリフのみ」を変えて見ました。
今回は更に説明文も変更して振り返ってみます。尚、印象が変わってきますね。
※コメント等全てフィクション・演出であり、勘違いのないように願います。
では、タイトルを「【空手の大会】組手競技で準優勝した話」
改め
「【空手の大会】正義の正拳突き!!」
とタイトルを変えてみましょう。さらに説明文の目線も優勝者である「五郎丸さん」目線にしてみます。更に受ける印象が異なってくるかもしれません。
【数年前】
その男とは以前に組手をした事がある。反則が多くあまり歓迎できる選手ではなかった。
その「男」は組手の競技でにエントリーしていた。正直大会に出て欲しくはなかった。
どんな手を使ったのか、1回戦・2回戦は対戦相手と戦う事はなかった。
噂では対戦相手は原因不明の体調不良に襲われたそうだ。
試合の直前「男から何かを渡された」そうだが、対戦相手はその事について何も話すことはなかった。
【1回戦・2回戦】
【3回戦】
「男」の対戦相手は、身長の大きな選手だった。
「男」はゆっくりとその選手の前に立ち、試合開始の合図を待っていた。
鋭い目つきで「男」は対戦相手を睨みつけていた。
口元では何やらブツブツとつぶやいていた。大きな選手は「男」の異様な雰囲気に圧倒されてしまいそうだった。私も外で見ていたが、何とも言えない気味の悪さと居心地の悪さを感じざるを得なかった。
「男」の放った突きは、明らかに制御されていなかった。当たり所が悪ければ一撃で倒れてもおかしくないほどの力が込められていた。
その余りにも強烈な一撃は、対戦相手の戦う気力を失わせるのに十分であった。
審判からの反則を宣告された「男」は、素直に頭を下げた。
だが、私は見逃さなかった。
下げた頭とは裏腹に口元は「ニヤリ」と緩んでいた。
どうやら「男」はワザと強く打ち抜いたのだ。
こうする事で相手を威嚇し、相手の動きを封じようという戦略のようだ。
そのことに気づく人はこの会場には誰もいない。
「男」は挑発的な戦いを行った。
対戦相手を嘲るような動きを見た審判は、何度か試合を止めて注意を促そうとしたが、ギリギリのところで挑発を止める「男」に手を焼いた。
一方で対戦相手は、その高い身体能力を活かし徐々にペースを握ろうと攻撃を繰り返した。
「男」は対戦相手の連続攻撃に手を焼き始めた。
だが、見計らったように次の一手を打った。
なんと対戦相手の急所をめがけ蹴りを繰り出したのだ。
もちろん反則である。
だが「男」がワザと金的の攻撃を行ったのかは誰も計り知ることはできない。場内は異様な雰囲気に包まれた。
上から対戦相手を見下ろすように覗き込むと、対戦相手にのみ聞こえるようにこうつぶやいた「さっさと引っ込まねーと、とんでもねー怪我をするぞ。」恐らくこんなような事を話したようだ。
ハッキリと聞こえたわけではないが、並みの選手であればこの言葉を感じると震え上がるであろう。
試合はその後大きな動きもなく、「男」の勝ちとなった。
試合終了後、対戦相手は他の試合を見るでもなく、他の道場生を応援するでもなく会場を後にしたのだった。
そして彼はそれ以降、試合にエントリーすることはなかった。
【準決勝】
対戦相手は、どうもおかしな事が起きていると感じていたようだ。
そして原因となるその「男」の試合が異様であるのは気がついていたようだ。
だが、試合上のルールがある以上、それ以上のことは起こらない。
ルールの中で何をしてくるかわからない相手だが、必要以上に恐れる事はないと私は思うようにした。
試合開始早々、「男」は開始の合図と同時くらいにいきなり打ち込んできた。
不意をつかれた対戦相手は「男」の攻撃を防げる体勢を整えていなかった。
あっという間に1ポイント奪われてしまった。
スタート開始直後、ほぼ同時に打ち込んできたこの「男」の攻撃に卑怯だという声が聞こえてきた。だがルールはルール。彼のポイントだ。
それ以降、ポイントは取れないながら、「男」の攻撃は熾烈を極めた。
制御されていない突きを放ち距離をとっては、所謂掛け逃げの状態を作っていた。
同時に自分の思った通りにポイントが取れない場面では、審判に対して悪態をつくような態度も見られた。実際のところはよくわらかないが。
だが、そんな中、対戦相手は一瞬の隙を見逃さず渾身の突きを打ち込んだ。
打ち込んだ突きは見事に決まり、ポイントが入った。これで同点。
だが「男」はこの攻撃に対し、わざと倒れるかのような動作をして、頻りに反則をアピールをしていた。
当然認められるわけも無く、「男」は憮然として試合に戻った。
このタイミングあたりから「男」の動きが目に見えておかしくなってきた。
運動量が著しく落ちてきたのだ。どうやら日頃の生活なのだろうか?それとも何らかの原因があるのだろうか?どちらにしても運動量が大きく落ちた男に対して、対戦相手はペースを掴みつつあった。
そんな中、試合は動いた。
「男」の攻撃はかなり程度の強い、いやこれまでに見た事もないくらいの強い「足払い」であった。もはや単なる下段蹴りに近いくらいの強さだったと思う。
これ単独で失格にされても文句は言えないほどの強烈なものだった。しかし審判の反則の宣言が出る前に、「男」はさらに行動を起こした。
なんと足払いで倒せないとみるや「男」は対戦相手の胸元に飛び込み、空手衣を掴むと投げを打ったのだ。力技で倒しに来たのだ。あまりの強引な技に会場は凍りついた。
「男」の投げによって、対戦相手は投げ飛ばされた。尻餅をついて死に体となっている対戦相手に、「男」は瞬時に飛びかかり鋭い突きを放った。
ルール上確かに問題はないが、空手家としてあまり容認できる行為でなかった。
だが、そこには当然正義のルールがある。審判は即座に反則を宣言した。
驚いたのは「男」が不服そうな態度を示している点だ。
凍りついたような目で審判を睨み返していた。
試合は判定へもつれ込み、どういうわけか「男」の勝利が告げられた。
「男」と私との対戦が決まった瞬間だった。
【決勝前】
私は敢えて「男」の元へ挨拶に行った。
同じ空手を学ぶ者同士、これまでの行為が嘘であってほしいそう思い、真意を確かめに行ったのだ。
私はにこやかに話しかけた。ここは空手の試合会場、戦場ではない。
多くの子供たちが見ている。空手が素晴らしいものだと示すためにも正々堂々勝負をしたかったのだ。
話せばわかってくれるはず「男」は私の求めに応じ、握手を仕返してきた。
だが、その時の握られた手に信じがたい悪意を込めて力いっぱいに握りこんできた。
私は思わず痛みで、手を引っ込めそうになった。
だがここで手を引っ込めれば、多くの人がこの「男」の無礼に気がつくであろう。
空手家は常に正しく正義であると信じている子供たちもいる。
私は試合でこの「男」を叩きのめし、目を覚まさせる事こそ正義と心に誓ったのだ。
【決勝戦】
もはや私に迷い等無かった。「男」に勝利し、この男の目を覚まさせる!
勝利至上主義は本当の空手ではない。
お互いを尊敬し、自己を只管に鍛え上げる事こそが空手家の本来の姿だ!
結果のみを求める事が空手の全てではない。それを分かって欲しかった。
開始の合図がかかった私は、ゆっくりと相手の動きを観察し始めた。
できれば手荒な真似はしたくないし、お互い素晴らしい試合をすればいいのだ!
不用意に近づきすぎてしまったようだ。「男」は私の右腕を掴むとそのまま手を自分の方で強引に引っ張った。私は思わず力を抜いてしまっていた。体制が崩される。
それはあまりにあっという間の出来事であった。
「男」の放った突きは思いのほか、早くそして重かった。
開始にして10秒程度、いやもっと短い時間かも知れない。
先制を許してしまう結果になってしまった。だが、ここで慌てる必要はない。
ふと見ると「男」は定まらない焦点でブツブツと何かつぶやいていた。
明らかなスタミナ切れだ。一目見ただけでその様子はおかしいと感じた。
だが相手の闘志は衰えていなかった。
肩で息をしながらもこちらを睨みつけている。
私は考えた。ここで完膚なきまでに叩きのめされたならば、きっと眼を覚ましてくれるものだろうと。
そのために、私は鬼になる!鬼になって正義の鉄拳を彼に打ち込むのだ!
全力での戦いであった。
全身全霊をかけた突きと蹴り技を繰り出し相手を圧倒することができた。
試合は人それぞれの思いがある。だが、試合が全てではない。
きっとこの「男」も元々そんな空手家ではなかったはず。
きっと目が覚めたであろう。
私は勝利した。「正義が勝つ」という古臭い言葉も今、この場ではふさわしい。
勝利ばかりに固執する「男」だが、こうして試合が終わり勝利のみを追求することの愚かさを感じ取ってもらえればいい。
いつかまた正々堂々勝負をしたいものだ。きっと「男」にも伝わったと思う。
私はこうして帰りを待つ家族に向けて右手を高らかに上げたのだ!!
そう。私は勝ったのだ。正義は勝ったのだから!!
さてこのくらいにして話を戻しましょう。
私自身は全くその気はなくとも、振り返ると思います。完全に「悪役」だなと、、。
ですが、正義も悪も誰がどのような基準で決めるのでしょうか?
【勝てば官軍 歴史は常に勝者が決めている。】
「どんな手を使っても勝てばいい。」一言聞くと、とんでもない悪党だと感じるかもしれません。
だが、果たしてそうなのでしょうか?
逆に対する相手がとんでもない悪党だったら?
自分や家族、友人が危険に晒されていたら?
相手がとんでもない卑怯な手で攻撃してきたら?
それでも正々堂々勝負!!とか言えますか!?
一方で、口で素晴らしい事を言ってもそれが善人とは限りません。
例えば歴史の真実は!?
・赤穂浪士でお馴染みの吉良上野介は、実は素晴らしい名君だったそうです。
・東北地方の英雄 独眼竜の伊達政宗は近隣諸国からは嫌われていたそうです。
・技術大国であったジオン公国は、資源不足のインフレに陥り経済的な安定を求めて地球からの独立戦争に至ったそうです。背景を聞くとジオン=悪と言い切れますか?
・江戸幕府側だった新選組は明治維新を逆に推進したという意見もあります。
と言うように、普通に考える正義や概念はそもそも一方的な見方でしかない可能性もあるのではないでしょうか。
というお話でした。何の話かよくわからなくなりましたね。
本記事におけるご意見、苦情等は一切受け付けません。
( ゚Д゚)ナニカ?
コメント