今回は「構え」についてです
さて空手に限らず、剣道でも柔道でもボクシングだって戦う時には必ず「構え」ます。
要するに戦う前の体勢を作るわけですね。
いかに相手の攻撃を防御し、こちらの攻撃を当てるかが勝負の分かれ目ですから、ただぼーっと突っ立てるわけには行きません。
今日はそんな構えについて、少し書いてみたいと思います。
1.構えとは!?いろんな構え

確かに攻撃の練習・防御の練習はよくやりますが、構えの練習はあまりやらない気がします。
でも構えは何より一番大事かもしれませんね。
何故なら構えによって、攻撃も防御も練習しますが、「構え」とは攻防一体その空手家の実力・能力を表すものかもしれません!
空手の組手でもキックボクシングでもスパーとかで構えた瞬間に、その人の強さがわかります。ボクシングだって、そうですよね。
常に攻撃の前後でしっかり構えに戻っているかどうかはトレーナに言われます!
構えの重要性で言うならば、ある意味野球のバッターの構えで考えるとわかり易いかもしれません。
イチローは日本にいた当時「振り子打法」で一世を風靡しましたが、メジャーリーグに行ったらすり足に変えました。
相手の力量や自分の実力に合わせて、構えを変えるわけです。
構えは初動を動く上で非常に重要なわけです。
もちろん状況に応じて色んな構えを使いこなすと、より組手がやりやすくなったりもします!!
では、代表的な構えについて書いてみたいと思います。
①基本の構え

私が最初に聞いた構え方です。
左手は相手のあご先の位置、右手は相手の中段を突ける位置に配置します。
足は「組手立ち」要するに肩幅に開いて、前足を相手に向けて、後ろの足は45度程度開いてステップする感じですね。
組手(戦い)は後ろにも前にも進む事が重要です。
この構えは、攻守にバランスよく目的が明確なので最初に学んだ構えだと思います。
防御時は前の手で捌けますし、中段突きを常に狙える訳です。
②猫の構え

招き猫みたいなポーズの構えですね。
子供たちに説明するうえでは、分かりやすい構えです。
そしてガードの概念が忘れがちな人には、意識させる上でも有益です。
主に上段の攻撃を意識した構えですね。
キックボクシングやムエタイの構えに近いです。
私がキックの時に構える時は、この形に近いです。
道場の先生から言われた構えですが、中段の防御が若干手薄になる気がします。
キックボクシングであれば、ミドルなど数発は耐えられる!と割り切ってしまう事も可能ですが、伝統派空手ではその考え方やその戦い方はちょっと難しいですね。
中段蹴りを決められたらその時点で技ありを取られちゃいますからね。
ですが、上段から中段や蹴り技に繋げる時の構えとしては、割と使いやすい構え方でもあります。
③背の高い相手に対する構え

上段・上段に対する構えです。
この構えをすると、背の高い相手に取ってちょっと嫌な構えになります。
「下ガラ空きじゃねーか!」と言いたくもなりますが、そもそも背の高い相手から背の低い相手の中段は距離が結構あるものです。
背の高い相手から見ると、常に下から狙われているような感じに感じます。
でも、当たり前と言えば当たり前ですが、ずーっとこの構えのままだと、攻撃するのには一動作加わるので、攻撃力はやや落ちます。
あくまでいろんな構えの中の一つの動作として、大きい相手と当たった時に牽制の意味で使えます。
180cmを超える相手の場合、攻め込む直前にこの構えをとると一瞬怯んでくれたりします。
目くらましに使えるのと、攻撃終わりに残心を取らない場合、この体勢で逃げると逃げやすいです。
つまり隙が少ない構えとも言えると思います。
④自分に適した構え(自分の構え)

この構え方は現在の私の基本の構えです。
いろいろ試しているうちにこうなりました。
でもこの構えもあくまで「今は!」というだけで、今後また変わってくると思います。
攻め・守りで言えば、やや守りの構えですね。
左手は少し低め右手は逆に顎の位置
体重はニュートラルに近い状態を保ちます。
特徴としては、すぐに右を上段に打ち込めるように顎前くらい。
左手は中段付近から上段あたりをフラフラとリラックスして構えます。
私の場合は、キックボクシングの練習量の方が明らかに多いので、空手の組手の場合は、踏み込んでからの右の照準の方が合わせやすいので、この形です。
また左手はどんな体制からでもジャブ(刻み突き)を打てると思うので、防御のセンサーの役割を7割、スキあらばジャブを3割位の意識です。
ちなみに、体重をやや後ろ体重にして、左手を更に下の方に構えると、「グラップラーバキ」の構えになります。


とか全く関係ないけど、ちょっと刃牙の構えに似ている!!と思うことでちょっと強くなった気になれるのです!!(笑)
まぁ、伝統派空手の組手としてはどうかと思いますが、、、。苦笑
⑤無の構え(構えなし・ノーガード)

意外といるのが、この構え!
そしてこの構えが出来る人は、ほとんどが実力者です。
ガードにそもそも自信があるので、相手に攻撃を読まさない!という意識が現れます。
フェイントもこの状態からやられると、攻撃を読むのはより難しく感じます。
実力差がある場合は、割とこの構えの人が多くなる気がします。
もちろんずーっとこの構えでいる訳ではなくて、変幻自在に構えを変えてきますね。
更に構えを変えずともいきなり攻撃!とかいろんなパターンの攻撃や受けが出来たりしていますね。
組手で相対した時に、この構えの人が出てくると、ちと厄介だなという気になります。
逆に白帯の方とかと組手をする場合は、確かに私もこの構えになります。
防御はできるから、あとは成り行きに任せようと思うと、結局基本の構えかこの構えにしたほうがやり易いのですね。
2.これが最強!?いろんな話を聞いて見た結果
ここまでいくつか書いてみましたが、実際にネットやら色々と調べてみるとこの形がなるほど一番良い気がします。
最近ではエビ型とカニ型と呼ばれる構えが割と耳にします。
エビ型とは要は基本前を向いており前進しやすく後退しにくい。
カニ型とは基本横向きになっており、前後に移動しやすい構えです。
近年ではカニ型が流行っているそうです。
まずはご参考にキックボクシングの割と一般的な構えです。

横から見るとこんな感じですね。

次に伝統派空手の最強!?の構えです。

違いわかります??

横から見るとこんな感じです。
キックの構えと伝統派の構えとの違いは、見えている面積が大きく違うのがわかりますか?
つまり狙うポントが少ないのです。
一方でキックボクシングは、当てれば良いわけじゃなくて、ダメージを与えるために打撃自体に強さを求められます。
なので多少の攻撃を受けてもカウンターを狙ったりする上で、多少の攻撃を受けることも辞さない構えです。
一方で伝統派空手の組手は、ポイント制なのでポイントが入ると止まります。
それに特化した構えになっていると思います。

デッサン2号(肌色・空手の構え)とデッサン1号(黒色・キックボクシングの構え)との構えの違いを見てください。

結構違いますよね!
そして有名な試合の写真です。

伝統派空手出身の堀口恭司とキックボクサー神童那須川天心の試合です。
ふたりの構えが全然違うのがおわかりでしょうか。
これ見ている人間からするともうね、、ドッキドキです!!
ワクワクしちゃいますね。
さて、もう一度改めてこの写真

足は四股立ちという立ち方に近い感じで、前後にステップしやすい構えです。
これが所謂カニ型と呼ばれる構えの一種ですね。
キックボクシングは前のめりになりがちですが、伝統派空手は後ろに下がる動きがキックボクシングより多いので、こんな感じになるのだと思います。
膝を曲げて余裕をもたせます。
なので体制が低いのが特徴ですね。

正面から見るとこんな感じですね。
ユーチューブで某有名な先生が言っていましたが、要はこんな感じです。
後ろの足は前の足で隠すくらい、前の腕で体を隠す感じ
で隙を無くします!
確かに攻めにくい印象ですよね。
今のところ、伝統派空手の組手においては、この構えをベースにやっています。
この構えが一番スキが少ないと思いますし、動きやすいのです。
みなさんも是非いろんな構えを試してみてください。
3.最後にまとめ
伝統派空手のいろんなパターンの構えがあると思います。
また構えはひとつだけじゃなくて、相手の身長・体重、右構えか左構えとか、攻撃重視なのか、カウンター使いなのか、受け重視なのかでも変わってきます。
構えを見ると大体その人の実力が分かるのは、本当だと思います。
最近北斗の拳じゃないけど、割とオーラってあるのじゃないかと思ってきました。
オーラというか闘気とでも言うのでしょうかね。
スピリチュアルな事ではないですが、実力はその人が持つ雰囲気、最も感じられるのは相手の構えを見たときな気がします。
見た瞬間で、ヤバイなんて思ったりもしますよ。
空手とキックボクシングはそもそもルールが違うので、構えも違います。
でも堀口VS天心の一戦を見ても分かるとおり、決して交わらないものではないのです。
ルールに適した構えになっていくのもわかりますが、どっちみち武道・武術・格闘技!
強さを求めれば、自ずと強い構えになっていくのだと思います!
ちなみにオーラがレインボーだったら、パチンコなら連チャン必至です!!
そう考えると楽しくないですか!?笑