空手の魅力シリーズ今回は左手の使い方です。
左を制す者は世界を制す!というボクシングの有名な言葉を聞いたことあると思います。
左は非常に重要なのは空手も同じです。
でも、ボクシングの使い方と空手の左の使い方はちょっと違うのかもしれません。
今日はそんなお話です。
ボクシングの左とは基本的に「ジャブ」ですね。
ジャブとは、相手を牽制したり、相手を軽打してペースをつかむとかします。
ですが、最近の私の考え方は、左手はセンサーだと考えてます。
左のジャブが当たれば、右のストレートがあたり
左のジャブが当たれば、キックが当たる
左のジャブが当たれば、相手の攻撃が届く距離
左のジャブが当たらなければ、相手の攻撃も届かない
そんな感じです。
たとえは変ですが、昆虫の触角とか猫の髭とかと同じイメージです。
もちろん左手を上手に使えば、試合は圧倒的に有利です。
ボクシングやキックボクシングにおけるジャブって基本的にはこんな感じです。
軽く打つ、早く打つ、強く打つ!
様々に使えますね。
ジャブの差し合いで負けると、もう勝てる気がしないというのが事実です。
実力者ほどジャブの使い方が上手です。
ちなみに過去にプロボクサーとスパーリングした時に、相手のジャブを一度もかわせませんでした。
ジャブなのに、全弾被弾しました。
自分でもびっくりした覚えがあります。苦笑
さて、空手というか正確には「組手」の時の左手についてです。
ボクシングとかだと左はガードかジャブの為に割と高く構えている事が多いです。
ところが空手(ちなみに伝統派)の構えの時の左手の位置は、低い位置にあったりします。
私が最初に聞いた拳の位置は、左手は相手の顎の高さ、右手は相手の中段を突ける位置にセットして構えるというものです。
もしくはやはり高い位置で構えてと言われました。
ところが日本のトップ選手の構えは総じて低かったりします。
そしてこの左手はいろんな位置にいて、特に決まったところでじっとしていなかったりします。
簡単に言うと、フラフラと相手の注意を引いていたり、ゆっくり動いたかと思えば急に素早い突きが飛んできたりと正に変幻自在という感じです。
私も最初の頃は割と高い位置で防御を意識した位置にあったと思います。
ところが時間が経つについれて、攻撃をする上で必ずしもその位置にいる事が得策でない場合もあるという気がしてきました。
ボクシングやキックで高い位置で構えているのは、ガードの役割とやはりジャブの為です。
ジャブは当たることは結構あります。
一方でジャブに合わせて攻撃を返すカウンター狙いの人もいます。
ジャブで試合が終わることはほとんどないです。
ところが空手の組手でいうと、ジャブに相当する「刻み突き」でも条件が揃えばポイントを取れます。
なので、一発の攻撃で終わるかもしれません。
なのでこの刻み突きは、組手においてはやはり重要な攻撃技でもあるのです。
なのでこの左手の動きは、相手も警戒せざるを得ないのです。
相手の警戒心を巧みに利用し、こちらの攻撃に繋げる。
こんな事を考えながら組手をするのですね。
そうするといろんな動きができます。
攻撃と見せかけつつ、実は蹴り技だったり、刻みと思わせつつ実は右手の突きだったりと、左はもはやフェイクなのか、本当の攻撃なのかわからなくするのです。
もちろん素早い左の攻撃で、ポイントも取れるわけですから狙う人もいるでしょう。
相手の攻撃も同様で、相手の攻撃をかわす為にもリラックスして、すぐに動ける体勢と準備を整えておかなくてはいけません。
正に変幻自在の活躍が求められるのが、この左手の動きなのです!
左を制する者は世界を、、、というのは、実は空手の世界でも似た意味を持っているのかもしれませんね。
ちなみに上級者でこの左の動きをほとんど取らない人もいます。
それぞれ個性があるから、楽しいのです。
皆さんはどう思いますか?