足払いは単なる「払い」ではない
空手と聞くと、突きや蹴りといった打撃技をイメージする方が多いかもしれません。しかし、空手には相手のバランスを崩す**「崩し」の技術も重要な要素です。中でも「足払い(あしばらい)」**は、相手の攻撃を防ぎながら、体勢を崩して次の技につなげるための、奥深い技術です。
中学生以上になると足払いや投げ(腰から下の支点で投げる)が使えるようになります。これによって空手の組手における戦略がとても広がります。

伝統派空手における足払いの基本
伝統派空手における足払いは、単に相手の足を払うだけではありません。相手の重心をコントロールし、効果的にバランスを崩すことが目的です。
- 足払いとは!?:
- そもそも足払いと聞くと柔道の足払いを想像する人が多いと思います。基本はそれと一緒ではありますが、両手で掴む行為は空手では反則なので、片手で掴むか相手の足を瞬間的に払って体制を崩す意味合いが強いです。
- 足払いのポイント:
- 相手の重心を前に引き出す: 相手が前に出てくるタイミングや、体重が前にかかっている瞬間を狙う。投げに繋げられます。
- 体重移動と連動させる: 自分の体の重心移動と足払いの動きを連動させ、大きな力を生み出す。足の筋肉だけでなく体全体で足払いをしたほうが効果的です。
- 足の裏全体を使う: 足の裏全体で相手の足を捕らえるように払い、しっかりとバランスを崩す。
- 相手の動きに合わせる:相手が浮いた瞬間など体重が掛かっていない所をすくうようにして狙う。転ばせることができます。
足払いを効果的に使うためのコツ
足払いを成功させるには、いくつかのコツがあります。
- 相手の動きを読む: 相手が攻撃を仕掛けてくる瞬間や、踏み込んでくるタイミングを見極めます。
- 他の技と組み合わせる: 突きや蹴りのフェイントと組み合わせることで、相手の注意をそらし、足払いを成功させやすくなります。
- 素早い体重移動: 足を払うと同時に、自分の重心を低くしたり、横に移動させたりすることで、より強力な崩しになります。
- 体の使い方を意識:足だけで倒したり崩したりというのは難しいので、体を当てたり片手で引っ張ったり押したりするとより効果的な足払いになります。
足払いの後の対応
足払いは、払った後が重要です。相手のバランスが崩れた瞬間に、素早く次の技(突きや蹴り、投げ技など)につなげることが、足払いを有効な技にする鍵となります。
足を払っただけでは、ポイントにもならないですし、相手が転んだからと言ってもこちらから技がでなければポイントにはなりません。

まとめ:足払いは空手の上達に不可欠な技術
足払いは、力任せではなく、タイミングと重心を操る繊細な技術です。突きや蹴りといった打撃技と組み合わせることで、空手の技をさらに深く、そして有効にすることができます。
ぜひ、日々の稽古で足払いの技術を磨き、空手の上達につなげてください。
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