カラテウサギの全て空手で解決するブログ(格闘編)

いい年した中年が、突然格闘技・空手にハマった!というブログです

空手家の品格・あり方 教育的な指導 高校生を一喝!?

本日は空手家の指導について

そもそも武道とは武術と教育的観点が加わったものだそうです。

教育的な観点とはつまり侍の考え方つまり武士道

の考え方が根底にあるそうです。

つまり空手道とは空手技術を身に付け、肉体・精神を鍛え、人格形成を助け立派な大人への成長を促す、、、という事ですね。

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武道と言われると、

「礼に始まり礼に終わる」

という言葉通りに礼儀を重視し人格者を育てるという感じがしますよね。

 

という事で、先日見かけたとある空手家のお話。

その日は地方のある都市の空手大会。

私は係員のお手伝いをしておりました。

係員とは、何をするかというと得点ボードを着けたり、選手を整列・案内したり、スコア表に記録したりします。

その日私は得点ボードに得点をつける係をやっていました。

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これが意外と難しくて、空手のルールを知らないと焦ってしまったり、得点の付け忘れや、反則の回数表示など間違えると勝敗を左右してしまうという結構重要な役回りです。

そして普通の時は大丈夫なのですが、イレギュラーな事態が起こると混乱したり、一瞬ボーっとすると得点をつけたのかどうか分からなくなるというヒヤッとした事も度々あります。

丸一日、何十試合も得点を付けていると、本当に疲れるものです。

 

さて、得点ボードは試合コートの目の前に設置されている訳ですが、その隣の席にコートの審判責任者(コート長)が座っています。

実はこのコート長は特に審判をしている訳では無いのですが、試合進行をチェックしたり、審判も気が付かないミスを指摘したり、審判の判断基準を確認したりと要するに全体の管理をしている方です。

どうやらベテランの審判が任命されることが多いようです。

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私の隣にいたコート長は、結構なベテランの方で、年齢は恐らく60オーバー、ひょっとしたら70近い方だと思います。

試合進行が特に問題なく進んでいくと、特にやる事がないらしく、結構話しかけられます。

独り言なのか私に話しかけているのか?

どっちか迷う感じですが、私も記録を付けているので、結構気になります。苦笑

「お!今の技はイイねぇ!」

「綺麗な立ち方だなぁ。」

「おお!!コレはすごいな!」

という感想みたいな感じです。

独り言だなと思っていると、

「あれは中々見事でしたね!!」といきなり言われたり、、、。苦笑

終始試合進行を見守りつつも、我々の動きや審判達の動きをチェック・アドバイスしていました。

 

そんな時、高校生の組み手試合が始まりました。

結果から言うと、その高校生は準々決勝くらいで負けてしまいました。

ただその負け方が、微妙だったのです。

相手の強めの攻撃はそのままポイントにされたり、自分の中段蹴りが強すぎと判定されたり、相手の浅い突きが有効とられたり、確かに私が見ても微妙な判定だなと思いました。

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最終的に同点の状態から「反則」を取られて反則負けしてしまったのです。

押していた事もあり、判定が微妙だったこともあり、この高校生は明らかに不服そうな表情をしていました。

遠目には分からないと思いますが、目の前で見ている人たちは皆、雰囲気がちょっとおかしい事に気が付いたと思います。

 

礼もしないままに、コートを降りようとし、審判に戻される始末です。

審判に一瞥もせず、不遜な態度。

その後、仲間のいる方に歩いていき、メンホーを放り投げて

「やってられない!」

的な雰囲気でした。

隣で同じく係をしていた父兄のお母さん方も思わず「怖い」と口にする雰囲気でした。

 

それを隣で見ていたコート長

「あー、アレはちょっと言った方がいいな。メンホー投げちゃってるし、、。」

といった次の瞬間、

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高校生に向かって、

「オイ!ちょっとこっちに来なさい!」

と呼びつけました。

 

高校生「は!?何ですか?」

コート長「君、名前は?」

高校生「・・・・。」

コート長「ここには、小さい子供達も沢山いる、黒帯を締めた高校生がその態度か?」

高校生「・・・・はい」

 

その後は、じっと目を見据えて何やら数分話し込んでおりました。

声が極端に小さくなって全く聞こえませんでした。

最後は高校生が深々と頭を下げて、下がっていきました。

 

コート長は私の隣の席に戻ってくると、

「何事もなかったですか?」

にこやかに聞いてきました。

 

この時私は、

これが空手家か!!

と正直思いました。

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身長は180を余裕で越えていそうなでかさ、体重も重そうで、プロレスラーみたいなしかもいかにもヤンチャそうな高校生を一喝してしまうこの先生!!

果たしてこんな事が自分にできるのだろうか?

反抗してきたらどうしよう?

等など考えてしまいました。

そう考えるとこのコート長の先生の行動は全く迷いがありませんでした。

私にとっては、驚きと畏敬の念を抱く事になりました。

 

いつの日にか私もこのコート長の先生のように、

空手家として恥ずかしくない実力と信念

を身に付けたいと思います。

命がけで何かやるとか、暴漢が現れたら倒すとかそういう事じゃないのです。

こうした空手家としての存在自体が価値があるのだと私は思います。

 

皆さんはどう思いますか?

皆さんの周りの空手家はどんな方でしょう?