練習を見て盗め!という昭和な意識は嫌いですが、見て学ぶことは重要だと思っています。今回はそんなお話です。
1.見て(観察して)学ぶという意味
世の中には「見て学べ!」という風潮が昭和な当時はあったように思います。
これは教える立場の側がもし言うのであれば、指導力不足だと思います。
何も教えずに「俺は先輩にそう学んだ!」と言うのであれば、
愚かの極みだと思いますね。
根本的に言葉で説明する気がないし、指導に対する考え方が偏っています。
指導力がないから手っ取り早く見てりゃわかるだろ!ということでしょう。
簡単な作業ならばともかく、確信的な部分についてこう言うならば、指導力がないと言わざるを得ないでしょう。
一方で教わる側の立場で「見て学ぶ」というのは全く別の意味です。
「見ること」によりいろいろな情報が得られるわけです。
基本は指導者が教えてくれますが、自分なりに解釈し、自分なりに取り込まないといけません。
そうした時に、闇雲に実践するよりも、先輩なり他人を見ることで
目標を定めたり
より深い理解を得たり
雰囲気を感じたり
気づき
を得られるわけですね。
これは仕事であろうと、何であろうと同じ事が言えると思います。
例えばプロの仕事を見ているだけで上手くなるなら、プロ野球をよく見ていたらプロ野球選手になれたのか?という話ですね。
ちなみに見るということは観察するという意味です。
2.見ること(観察)の重要性
空手・格闘技において「見ること(観察)」は重要だと思います。
まぁ、別に空手や格闘技(ここでは主にキックボクシング)に限った話ではないと思いますが、、。
見ることによって下記の事がわかると思います。
2−1.その人の雰囲気
簡単に言えば、強いのか?弱いのか?
それを見極める要素がその人の持っている雰囲気です。
北斗の拳風にいえば、オーラといえなくもないです。
この写真の人とか、明らかに強そうじゃないですか!
よく見てみるとその人の持っている雰囲気を感じることができます。
焦っているとか慌てている場合はチャンスです。
一生懸命さが出てしまう人は、経験不足を感じることができますし。
冷静さを持っている人は、安易な攻撃は出しにくかったりします。
それらの要因を見極めると、攻略方法も見えてくるでしょう。
2−2.距離感
これは練習でもそうですし、試合時も同様ですね。
相手の間合いが近い人、遠い人がいたりします。
練習とかで自分の距離と比較して、正しい距離や得意な距離を探し出すという点でも他人の距離というのは重要だと思います。
攻撃時に近づきすぎている・遠すぎるなど自分では気が付かない事も他人としてみると、見えてきたりします。
遠い距離が得意な人、近い距離が得意な人がいますし、それによって戦い方も変わってきます。
近接の連打が得意な人は、近い距離でしょうし。
遠い距離から飛び込んでからの攻撃でペースを握る人もいるでしょう。
2−3.初動や起こり
これは基本的な事なのでしょうけども、その人の初動や起こりと言われる動作を観察することが重要ですね。
基本的にはゼロの状態からノーモーションで動くことは難しいです。
行動に移すには、必ず何かのきっかけが存在するはずです。
簡単に言えば、一旦体が沈んだら相手は飛び込んでくるなとか
呼吸が変わった瞬間に、なにか仕掛けてくるなとか
ちょっとしたきっかけがわかれば、瞬間的に警戒度を上げて攻撃・反撃の体勢を作ることもできるのです。
2−4.戦いのパターンや作戦
例えば攻撃をしたくて、先手必勝タイプの人は相手のスキを伺っていたり
のんびりしていても、攻撃に移った瞬間に技のコンビネーションが凄まじかったりとかもありえます。
基本的には、上級者になればなるほどに色々な技やコンビネーションのパターンが多くなります。
もとプロ選手に聞きましたが、事前に動画が手に入る場合は、徹底的にその動画を研究すうるそうです。
人は追い詰められたり、大チャンスを迎えると大体同じようなパターンの攻撃や防御をするそうです。
それを頭に入れて戦うと、チャンスが広がるそうです。
逆に自分自身に当てはめた時に、自分の戦い方やパターンが果たして正しいのかを、確認するという意味でも有益だと思います。
2−5.クセや特徴
選手にはそれぞれクセや特徴があったりします。
それを見ることで、自分にも活かせたりします。
例えば、攻撃時に左手を一旦下げるクセがあったとしたら、そのクセがわかっているのであれば、防御は容易いでしょうし、自分にそのクセがあるのならば、修正するように心がけるべきです。
また、例えば構えが定まっていない選手がいたとして、それが敢えてそうしているのであれば、よほど防御に自身があるのか、攻撃を悟られないためにそうしているのか?
など理由があるはずです。
あるタイミングで、同じ事をすれば相手の虚を突く事が可能になったりするかもしれません。
2−6.精神状態
その人を見ているとその人の精神状態がわかります。
例えば、ハードな追い込み練習をしていると、いっぱいいっぱいになって周りを見る冷静さを失っていたり。
ガードを固めている相手にガードの上から攻撃をし続けて、相手を精神的に追い込んだりする事で試合を優位に運べたりします。
逆にノリノリ相手に対しては、わざと打たせてカウンターを狙うなどの作戦を立てるのも良いでしょう。
基本的に余裕がなくなるとバタつくので、基本的にチャンスとなります!
2−7.その人の良い点
これは実に単純です。
その人の良い点を探して、わかったら真似れば良いのです。
簡単に真似することは難しくても、自分なりの解釈で自分なりに自分に取り込めばよいのです。
色々な武器や戦い方を真似る事で、自分の戦い方が変わることは間違いないでしょう。
この人のこれを真似しよう!とする練習もできますし、何しろイメージが付きやすいので、技の会得難易度もぐっと下がることでしょう。
2−8.その人の悪い点
上とは真逆ですね。
悪い点は色々とあるでしょうけども、自分はどうだったっけ?と振り返ることができます。
自分に置き換えた時に、悪い点を反省し修正することができます。
「他人のふり見て我がふり直せ」という訳ですね。
悪いところが多すぎてわからん!!という場合も、では一体どこが一番問題なのか?を考えるたり、どうしたら改善できるのだろう?という理解は、きっといずれ役に立つのではないかと思います。
2−9. タイミング
タイミングというのは人によって独特です。
格闘技においては、得意なタイプ、不得意なタイプが存在します。
不思議なもので、早いパンチが当たるのかと言うと、決してそうでもないらしいです。
プロボクサーの方が言うには、
「何故か遅いパンチをもらう」というのが多々あるそうです。
これは緩急がついた状態であると考えられます。
要するにタイミングがズレるという事ですね。
これを利用すると優位ですし、利用されると不利になります。
独特なタイミングや自分のタイミングがわかっていると、色んな場面において有利な展開があると思います。
2−10.体の使い方
見て学ぶという事では、口で言ってもわからない体の使い方のヒントは得られると思います。
こればかりは自分なりの感覚になってしまうので、なんとも言えないのが実際のところ。
でも、体の使い方、ステップの仕方、体のひねり方やパンチ・キックの出す際の体の使い方が上手な人は、早いし強いのは間違いありません。
センスの問題もあるとは思いますが、やはり反復練習や意識して動けるかという点では、理解しているのかは重要だと思います。
そしてこれは動画を撮ってもらう事で、比較ができるので実に実力向上にもってこいだと思います。
3.終わりに
さて今回は、試合・練習を見ることの重要な要素について書きました。
基本的には
他人のふり見て我がふり直せ
が、最も重要だと思います。
更に最近はスマホで手軽に動画を取れるの時代なので、
自分のふり見て我がふり直せ!!
という事も容易ですね!
ちなみに私は他人の練習や動作をじーっと見てしまう事があります。
上手い人だけでなく、下手な人のも見てしまいます。
上手い人のは、自分の参考に
下手な人のは、自分の反省に
それぞれ活かせるのです。
他人は他人、自分は自分であることは間違いありませんが、他人の動作を見ることは身近な教科書であり、また参考書でもあるのです!
自分自身の成長のためには絶対に必要な要素の一つだと思います。
観察力ですね!!
皆さんはそうは思いませんか??
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