先日元プロボクサーの方と話をしていたら、ちょっとおもしろい話を聞けました。
1.父親が教える格闘技
格闘技の世界では割と父親が子供に教えてそのままチャンピオンになる人達がいます。
そんな彼等の共通項ってなんだと思いますか?
モンスター井上尚弥も神童那須川天心も亀田三兄弟も彼等に共通しているのは、
父親がトレーナーとして教えたこと。
そして彼等に共通しているのは「防御力」だそうです。
プロの目線で見たときに、どうにも攻めどころがない。攻めてたとしても良くても相打ちくらいしかイメージが沸かないらしいです。
その元プロボクサーも大手の有名なボクシングジム出身なので、世界チャンピオンとも一緒に練習していたそうですので、本当にそうなんだなと思います。
もちろんそもそも家も生活も一緒なわけですから、健康状態や親子が故に子供(選手)の理解も普通のトレーナーよりはかなり高いのでしょう。
勝手な推測ですが、やはり我が子には怪我をしてほしくないという思いが、有るのではないでしょうか。
だからこそ防御力を重視した練習を多くやっていてもおかしい話ではありません。
父親が世界チャンピオンだったという訳ではないのですが、那須川天心のジムからはチャンピオンクラスがバンバン誕生しているので、指導力は相当なものなのでしょう。
井上尚弥に関しては、練習ですらノックアウトしたことがないらしく、わざとグルグル回って目を回してノックダウンされた時の対処練習をしているのだとか。
どれだけ凄いのか想像も付きませんが、当然スパーリングもやるのでしょうけども、ミット打ちがかなり実戦的な練習だそうです。
先日行われた那須川天心対武尊の試合も那須川天心のスピードと防御力が際立っていたと思います。
武尊ほどの最強ファイターを前にしても、そのスピードと防御は凄かったと思います。
2.チャンピオンの父親
井上尚弥の父親 井上慎吾さんにしても、那須川天心の父親 那須川弘幸さんにしてもプロボクサーやプロキックボクサーだったわけではありません。
二人共にアマチュア選手だったようです。
テレビでも有名な亀田兄弟の父親亀田史郎さんは、競技経験無しだそうだそうです。
それでも世界チャンピオンに育てているわけですから、誰も文句は言えないでしょう。
当然ながら選手本人の資質もあったでしょうし、強い意志もあったでしょう。でもそれをサポートして、指導したのは間違いなくこの父親たちですね。
彼等の練習は時として、変わった指導もあったかもしれませんし、普通のジムではあまりやらないような新たな練習を作り出したのかもしれません。
ある意味自分の子供たちに、実験的に試した練習も有るでしょう。
亀田史郎さんの棒にグローブをくくりつけて、やりのように突き出す練習をテレビで見たことがあります。
ネットには、
「あんなの意味がない!」「素人の思いつき!」
などと書かれていましたが、そもそもモーションがない訳ですから、ノーモーションの攻撃を防御するという意味ではとても理に適った練習なのかもしれません。
ある意味読めないだけに、反応することすら難しいわけですから。
というか、そもそもチャンピオンが実際に行った練習方法ですし、似たような練習を取り入れてるジムも多くあります。
父親は自分の自分が果たせなかった夢を息子に託したとか、そういうことじゃないように思います。彼等はただ息子に協力しているうちに、トレーナーとしての能力が身についてチャンピオンに育だったという方がしっくりきます。
親子の絆がいい方向に向いた結果なのでしょう。尊敬されない父親であれば違った結果だったと思います。
3.終わりに
親子でプロを目指すとか、どこの世界でも結構ある話だと思います。
イチローもほぼ毎日バッティングセンターに通ったそうですし、教えられないながらも強力にサポートする父親・母親は多くいます。
親子で過ごす時間はかけがえないものだとは思いますが、ここまで究極を突き詰めるのはごくごく稀ですね。
空手の大会なんかも父親・母親のほうが熱くなっているシーンも多く見られます。
その一方で裏では、プレッシャーに感じてしまったり、嫌になって競技自体を辞めてしまう選手も多くいるのでしょう。
冒頭にプロボクサーが言っていた、彼等は防御力が半端じゃないというのは、同じプロ目線でそう思うのですから、よほどなんだろうなと思います。
もちろん選手のセンスや身体能力も関係有るのでしょうけども。
親子で目指す世界チャンピオンって凄いなと思いますが、その子供の責任を一身に受ける父親・母親もまた相当な覚悟がないとできない気がします。
成功したら良いですが、成功するほうがよほど難しい世界ですからね。
皆さんはどう思われますか?
コメント
コメント失礼致します。
亀田三兄弟の父親が競技者ですら無かったのは知りませんでした。それで世界チャンピオンを育てたというのは更に驚きです。
「親は子供にケガをしてほしくない」...子を持つ親として非常に分かる事なのですが、それを実行に移させるのは並大抵な事では無いと思いますし、素人ならではの視点、お互いの信頼関係(尊敬)、本人の意志...様々な事が重なりあってのものであると思いますが、とてもいいお話ですね。
いつも興味深い投稿楽しみにしています。ありがとうございます、押忍!!