格闘技は若者のものであると思っていました。
だが、実際には多くのオジさん達が足繁くジムに通っていたりします。
本日はそんなオジさんキックボクサー、おじさん空手家などの中年格闘家についてその生態を書いてみたいと思います。
1.中年格闘家の時代背景
中年の格闘家のお話する前に、30代~50代の所謂中年、我々オヤジ世代の時代背景をお話する必要があります。
1980年代は、校内暴力や暴走族が社会問題となった時期でした。
もはや戦後は遠い昔の話です。
どんどん豊かになる暮らしの真ん中で我々は育ったのです。
ところが1990年頃に起こった
バブル景気の崩壊!
有頂天だった日本が奈落の底に突き落とされた頃だったのです。
こんな時代背景のさなか我々を夢中にさせたのが、
北斗の拳とドラゴンボール
という格闘漫画でありアニメだったのです。
特に
北斗の拳
の存在は大きかったです。
一子相伝の北斗神拳を操るケンシロウが、荒廃した世紀末を舞台に活躍する物語です。
一子相伝という言葉を聞いたのはこの時が初めてです。
※沖縄空手とか昔の空手や武術は一子相伝の伝えがあったそうです。
秘孔をついた人間が爆発するという衝撃的な内容と、クリスタルキングの主題歌は当時の少年たちのハートを鷲掴みにしたものです。
「北斗の拳」の説明の中にこんな一文があります。
199X年、世界は核の炎に包まれた!地は裂け海は枯れ、あらゆる生命体は絶滅したかに見えた、、、。
なんだか恐ろしい話ですね。
ちなみに有名な拳王ことラオウの別名は「世紀末覇者」です。
ケンシロウの事もまた世紀末救世主伝説などともいわれました。
この当時、その通りで世紀末と呼ばれる20世紀の終わりだったのです。
そして我々の世代は最も影響を受けたのは
1999年地球は滅亡する!!
というノストラダムスの大予言に翻弄されたのです。
つまり1999年に大変なことが起こる!
ソレが起こったあとは、人類は死滅する。
生き残ったとしても、北斗の拳のような荒廃した時代がくる。
そんな事を真剣に考えているような時代で育ったのです。
テレビではノストラダムスの予言を大々的に取り上げて、解説・分析する特番が組まれ、我々は近い将来に起こり得る恐怖に怯えたのです。
これが現実としても起こり得るとして北斗の拳の世界が来た時に、生き残るには我々は力をつけなくてはいけない
恐怖と暴力が支配する時代が来る事への恐れがあったのです。
つまり我々の中年世代は、
潜在的に
「強さこそが正義!」
を心のどこかで持たざるを得なかった時代だったのです。
なので我々の世代の大半は「強さ」は生き残るための必要スキルだと刷り込まれていたのです。
2.中年格闘家のタイプ分類
①武を極めんとする者たち
この人達は昔から武の道に生き、その運命を全うしようとする人たちです。
幼き頃から苛烈な稽古を重ね、若かりし頃は様々な大会等に出場したり出稽古に明け暮れ、年を重ねても尚武を求め、武を極めようとする人達です。
大都市部の夜のスポーツセンターとかに行くと見ることができます。
このタイプの人達は、長らく活動している為その分野に知り合いが多く世間は狭いなという事が多々あるそうです。
②覚醒夜型ファイター
基本的に大人になってから、格闘技やトレーニングとかに目覚めた人たちです。
私もこの部類に入ります。
基本的に武にすべてを捧げているというよりは、普段の仕事は普通にこなし、夜になるとワラわらとジムに集まってきます。
基本的に活動は夜に限られるので、夜にトレーニングをする場合が多いです。
あくまで格闘技は趣味の一つではあるのですが、格闘技に対して熱い思い入れがあったり、ライフワークにしている人が多いのも特徴です。
始めた時期が遅い為、武を極めようというよりは、高い山にまずは登ってみようという感じの人が多いですね。
徐々に実力をつけていくのが楽しいと感じるのだと思います。
時には試合をしてみたりして、割と中級者以上の実力を持っていたりする場合もあります。
③一般格闘愛好者
ごく普通の格闘技愛好者です。
まぁ当たり前ですが、年も取ってくると家族や仕事を第一に考えますので、趣味である格闘技は二の次、三の次ですね。
でも本人は好きなので、せめて週に一度だけでも稽古やジムに来たりします。
中には学生時代に空手道を部活等で行っており、実力は折り紙つき人が居たりもします。
勿論始めて間もない人もおり、週に1回か2回程度のトレーニングをします。
男女問わずストレス解消や健康の為に格闘技をしている事が多いです。
④なんちゃって格闘技愛好者
極々稀に練習に来る所謂丘サーファー的な人です。
早晩やめてしまう人も多いです。
ちなみに新宿などの歓楽街近くでは、割とホストの人達が気が向いたときに来るみたいな事も多いようです。
酒を抜くためでしょうか、、、。汗
3.おじさん格闘家の生態
ではここで、おじさん格闘家達の生態を少し書いてみます。
というか、私と私の周りにいたオジサンたちを参考にしています。
なので人によって全然違うかもしれません。
でも割とこんな感じで皆さんやってるでしょ!?
※私の見てきた人たちの事なので勿論独断と偏見に満ちています。(笑)
① 家庭仕事と同じく格闘技が大事
年齢も中年になるとなかなか格闘技に生きているという人は多くはありません。
ましてや中年の年代になると、責任ある立場だったり、家庭も子供が反抗期だったりと色々と問題があったりもします。
トレーナーや指導者を除くと趣味としてトレーニングを行う人は、それでも尚、格闘技に比重を重くする人達がいます。
もはや格闘技せずには生きる価値を見出せないくらいにハマる人がいるのです。
とにかく仕事が終われば、ジムや稽古に行くことを考えます。
飲み会なんて二の次です!
できる事なら職場の近くに道場があればよいと思っていますし、残業するくらいならジムに行きたい。そんな風に思ってしまうのです。
②職場より家庭よりジムや道場が落ち着く
仕事をしているときよりも、家庭でのんびりしているよりも、ジムや道場で稽古しているときの方が落ち着いたりします。
決して家に帰りたくないとかそういう事ではないのです。
単に道場やジムの空気が落ち着くんです。
その場の熱量だったり、掛け声や緊張感、そんなのを感じつつ
ここにいるだけで
「生きてるぞー!」
という気持ちがわいてきます。
③チャラチャラと浮ついた雰囲気を嫌う
キックのジムには若い女子が結構います。
わいわいキャッキャ!と楽しくトレーニングをしたりしてます。
だが中年格闘技者は、もはやそんなものを求めていません。
そんな事よりも、
自分のパンチは強いのか?
キックのキレはあるのか?
バランスは崩れていないか?
そっちの方が気になります。
女子と話をしたいならば、そういったお店に行けばよい事を知っています。
行きつけのスナックでも探せばいいのです!
そんな事はどうでもよくて、我々はただ只管に
格闘技術を磨きたいのです!
なので私は基本的に女子には話しかけません。
よく下手な中級者にもなっていない若造やオジサンが、かわいい女の子に偉そう
「こうやるんだよ!」
とか偉そうに教えているシーンに出くわします。
うらやま、、、じゃなかった、、、いや、お前違くね!?
と思う事も稀にあります。
④おやじ狩りのシミュレーションは欠かさない!
これは何故かはわかりませんが、常に脳内でシミュレーションするのは、
自分がおやじ狩りに遭ったときの対処方法です。
実際に遭った事もないし、多分この先も遭わないと思いますが、頭の中には常に考えてしまいます。
2,3人の若者に「金を出せ!」と脅された帰り道です。
最初の一人目を金的を蹴り上げて、二人目を足払い、3人目にローキックを打ち込み、、、という感じで頭の中で何度となく繰り返します。
私は5パターンくらいのシミュレーションをもう何度も行いました。w
え?これ皆さんやるでしょ??
⑤基本女子には話しかけない
これは別に意地悪でやっているではなく、オヤジに話しかけられても困るだろうと思うから話しかけないだけです。
それは私たちも女子と一緒に楽しく練習したい気持ちはあります。
でも、嫌われたり変な噂をたてられたら、ジムに行きにくくなるのが嫌なのです。
ジムや道場は我々にとっての唯一無二の神聖な場所なのです!
そんな中、私も割と話しかける女性もおります。
女性のガチ勢です。
女性のガチな人たちは、一定数います。
この人達とは格闘技術の話をしても盛り上がれますし、練習も一緒にできます。
何より我々に下心が無い事を理解してくれている訳です!
総じていえば、女性の上級者の方が技は男性のそれよりもきれいで、上手いです。
筋力に頼らない為、体の使い方が上手になるのだと思います。
ただ普通の女の子では、なかなかこうはできませんし、なりません。汗
⑥良かれと思って後輩を誘いまくるが!?
最初の頃はよく同僚や後輩をジムに誘いました。
格闘技って楽しいんだぜ!!と言って5人くらいジムに入れたのですが、全員辞めちゃいました。
気が付いたのですが、これってパワハラ?と思ってからはやめてます。
最近はこれって俺が変なのか?
何でやめてしまうのか?
と悩んで誘うのは控えてます。
⑦もう年だから、、、本音は!?
基本的に年を取っている分、若者と比べられるとどうしても体力的に、、、というのはあるかもしれません。
もう年だから無理だよ、、とか、
やはり年には勝てないな、、。とか
一応、年齢に合わせて口にはします。
でも、本音では、一切そんなことは考えてません!
まだまだ負けるわけないだろ!!
舐めんな若造どもよ!!!
と思っています。
というか40代なんてまだまだ肉体的には若手ですわ!
プロとか目指している訳じゃないから、割と本気でそう思っています。苦笑
⑧弱音は吐けども真偽のほどは!?
割と頻繁に、
「うーわーきついヨそれ!」
「ちょっと!!明日もう仕事いけないよ!」
「俺もう40過ぎだよ!無理だよ!」
「痛いよ!つらいよ!!」
と口にしていますが、
心では全く思ってません!
空手では弱音を吐くことは禁じられていたりします。
でも、思わず口ではこんなことを言っちゃうんですよね。汗
⑨目には目を歯には歯をではない!!
キックの練習ではマススパーリングというのものがあります。
これは軽く当てるだけの技術の交換です。
ところが、これをガチで当ててくる人が一定の数いるのです。
相手が上級者の場合、それは私を認めてくれた証拠です。
私も強めで返します!
相手が私よりも下手な人の場合、それは私が舐められた証拠です。
私も強めで返します!
格闘技において、コンタクトを伴う練習は危険を伴うものです。
自分を守る事は、他人を守る事でもあります。
それがよりよい未来につながる事を信じています。
決して単にやり返しているだけではないのですよ!!
⑩超低姿勢!誰にでも教えを乞う!
基本的に誰にでも教えを請います。
私は40過ぎてますが、20代そこそこの学生のバイトの先生にも教えを請います。
もっと言えば、空手教室の小学生に裏廻しのコツを聞いたりします。
更に言えばいつでも超低姿勢のスタイルは崩さないです。
何故なら学びたいからです。
学ぶ事に年も経験も関係ありません。
特に小学生の頃に空手もキックも体験していない私は、小学生のその心理や状況を知りたいのです。
そしてそこから得られる情報は、疑似体験として私の糧になるのです!
過去に戻れない以上、体験する事は適いません。
でも時間がないから何もしないという訳にはいけない、得られるものは全て得たいのです!!
4.まとめ
という事で、中年の格闘技を愛する人々の生態を書いてみました。
確かに私の感想や印象という部分もありますが、話を聞いてくと割と皆さん同じような感じなることに気が付きました。
だから、結局みんなこんな感じなるのだと思います。
世代としては確かに体力は落ちていく一方だと思います。
でも鍛えればまだまだ鍛えられるし、そう簡単にあきらめるわけにはいきません。
ましてや最近はプロテインやら科学的な運動方法も確立されているのです!
なんなら還暦間近のファイターでバッキバキの腹筋でド派手なハイキックをブチかます格闘家もたくさんおります。
まだまだ上にはたくさんのオヤジファイターがいるのです!!
そう考えると我々はまだまだオヤジファイターとしてはひよっこです!
オヤジだからと諦めない!
世紀末を生きてきた我々中年格闘家の生態でございます!!
で、結局皆さんもこんな感じでしょ!?
本記事におけるご意見、感想、苦情等一切お受けしておりません。
悪しからずご了承ください。
( ゚Д゚)ハァ?
以上 解散!!
コメント
こんにちは
いつも楽しく拝見しております。
だいぶ体力もついたので最近はレブナマスクと10キロのベストを着て練習しています。
老化への挑戦ともいうべきでしょうが。。
仕事の関係で平日昼クラスなので主婦が
多いですね。
マスでは牽制のジャブや前蹴りを出しても構わず突っ込んできますよ。
中にはボブサップのようなおばちゃんも。。
TAKA さん
こんにちは!
てかレブナマスクと10キロのベストって!!?
凄まじい追い込みっぷりですね!
(;゜0゜)
そんなガチンコな人なかなかいませんね。
素晴らしいです!!
マスクしての練習は地獄です。
過去に調子にのったら苦い経験が、、汗
まだまだ、老いるには早すぎますね!!(笑)
こんばんは、山Kです。
全く格闘経験もなく47歳でキックボクシング
ジムに飛び込んで1週間です。
オジサンでも初めて良いのですね!?
おかげで光が見えました!それではまた!