いよいよ私の番が回ってきました。私にとって組手の試合初戦が始まります。
初戦といっても、シードと不戦勝のおかげで、既に準々決勝です。
いざ試合になるとドキドキするという事もなく割と冷静です。
相手もなかなか強そうです。相手にとって不足ありません。
さて、そうこうしている内に試合が始まります。
相手は180は軽く超えていそうな大きな相手です。
この対戦相手の前の試合は見ていましたが、結構強引に突きとケリを出すタイプのようです。身体能力で勝ち上がってきた面も窺えます。
特に身長が大きいので、上段蹴りを結構打っている印象です。但し裏回しは出していなかったので、実践ではおそらく使ってこないだろうと思います。
私の作戦は、SNSで貰ったアドバイスに基づき反則しない事を心がけて戦います。
普段のジムでの練習で身についてしまった「打ち抜く」キックボクシングの意識を捨て、素早くタッチするかのような意識を持ちます。
こうすることで余計な力が抜け素早い突きが打てるのです。
試合が始まって最初の攻撃です。
割とカウンターを狙うタイプではないと判断。先制攻撃を仕掛けます。
最も頼りにできる私の技「ワンツー」を打ち込みます。
割と低い位置より伸ばした突きは相手の面ホーを確実にとらえました。
が、まさかのコンタクト強すぎの反則です。
前の大会であれだけ反則をしまくった事で、研究と反省を踏まえて強く打ち込まないという事を意識していたのにこの失態!
いくら最初の挙動であったとは言え、この攻撃は反省すべき点ですね。
開始数秒でいきなりの反則。
とりあえず真摯に謝ります。
弱く突いてもポイントにならず、それどころか攻め込まれる隙を作るだけです。その一方で「押さない」事を今一度認識して「反則は厳禁!」の意識で試合を続行します。
さあ、気を取り直して試合は続きます。
相手はその恵まれた身体能力に助けられてきたせいでしょうか?攻撃が基本的に単調です。あまりフェイント等もありません。
なので私も先ほどの強い突きを反省し、素早い突きで圧倒します。
先制攻撃を繰り返し、もしくは相手の距離を潰しつつ離れ際に突きを入れたりとしたことでポイントを重ねる事ができました。
基本的に前後の動きしかしてこない相手に対して、コンビネーションやトリッキーな動きも入れつつ戦います。
私は「先取」を含む連続4ポイントを取ることに成功しました。
戦いながら私自分の成長を実感したのです!
と、言いたいところなのですが、実はこの間かなり反則をしてしまいました。
4ポイント取ったのと同じくらい反則をしてしまったようです。
どうしても突きが強く当たってしまい、止められない。制御できないのです。
あまりに反則が多くて、対戦相手に対して申し訳ない気持ちになります。
これは前の大会でもそうでしたが、キックボクシングの距離感になってしまうのです。
前回は攻撃の8割が反則を取られましたが、今回は20%~30%程度でしたので、sの点では少しは成長が見られました。
一応ここまでのところ、ポイント的にはイケイケ状態です。
そんな中私は、キックでもよく使う「ワンツー中段蹴り」のコンビネーションを仕掛けた訳です。
自分で言うのもなんですが、これは大失敗です。
相手の身長が大きかったというのも理由の一つですが、思いっきり蹴りを「金的」に入れてしまいました。
当然試合は止まり、回復の為の時間が取られます。
この時当事者(ヤっちまった側)としてはかなり居た堪れない気持ちなります。
何故ならば恐らく会場の多くの観客や試合待ちの選手、試合が終わった選手たちがコート外から試合を見ているわけです。
その後の私は残り時間殆ど強く攻めることも無く、終了時間を迎える事になったのです。
結果この試合は4-1で勝利することになったのですが、自分の反則が多いという点が多少ましになったものの、まだまだ治っていなかった事がショックでした。
そしてまるで成長していないのではないかと言う不安感に苛まれる事になったのです。
試合自体には勝利したので、次に準決勝に進みます。
続く
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