【空手の魅力】④寸止めの組手 これぞ先人の知恵! 細かすぎて伝わらない空手の楽しさ・素晴らしさ

今回の空手の魅力シリーズは「寸止め」についてです。

 

寸止めと言われると、何かとその是非について話題の対象になりますね。

「止めてどうする」とか「当てないとか意味わからない」とか。

さらに意外と知らない人も多くて、空手といえばフルコンタクト空手のガツンガツン打ち合うイメージが強いのだと思います。

 

ですが私は、この「寸止めの組手」は実に素晴らしいと思います。

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そもそもですが、組手は「空手道」の練習のうちの一つです。

大会形式で行うので、わかりやすい「形(型)」と「組手」がたまたまクローズアップされているだけだと思います。

 

なので、空手道の練習は別にコレだけではないのですが、わかり易いですし、目標にもなるので道場の練習は割と組手の練習をしている事が多いと思います。

総じて組手競技を行うことで、空手の練習となる事は間違いありませんしね。

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さて、寸止めの素晴らしさを話す前に、一つだけ補足しておきます。

私は伝統派の俗に言う「寸止めの空手」を習っていますが、同時に相手にダメージを与える事が必要な「キックボクシング」も習っています。

なので、両方経験した観点から見ても寸止めの組手は素晴らしいと思うのです。

 

空手とキックボクシングの大きな違いは以下のとおりです。

 

空手・・・素手が前提で一撃必殺で骨を砕く

キックボクシング・・・グローブ前提で連打を用いて脳震盪を起こす

 

これは何かと言うと、空手は素手、ボクシングはグローブなのです。

皆さんはこの違いの大きさがどれくらいかわかりますか?

 

素手とグローブの違いは、例えば同じ時速100kmのボールが飛んできた時に、ゴルフボールが飛んできたのと、バレーボールが飛んできたくらいの違いです。

当たるとどれだけ違うかわかりますかね?想像してみてください。

 

例えばボクサーが素手で試合したらどうなると思います?おそらく最初に当てた方が勝ちます。1ラウンドで十分という試合ばかりだと思います。

要するに彼らが素手で戦ったら、試合にもならないという事です。

 

さて、空手は素手前提という話をしました。

素手で全力で殴り合う試合(組手)をするとどうなると思いますか?

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素手で組手をして、全力で打ち抜くという事がどういうことかといいますと、つまりはこんな感じになると思います。

大変危険な試合になります。もはやグラディエーターの世界です。

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このイラストはマイルドなので、怪我の度合いはかなり軽い部類でしょう。

 

実際にはあらゆる箇所を骨折したり、裸拳が目に当たれば、眼球破裂や下手すると失明するとかありえます。

裂傷、打撲、時として取り返しのつかない怪我も起こりえます。

フルコンタクト空手の試合は顔面への攻撃がありません。

危険すぎるからです。

顔面へのコンタクトを許している空手も基本的にはグローブをはめます。

 

素手で顔面への攻撃はどれだけ危険か想像に容易いわけですね。

しかも子供や素人のけんかではなくて、突きや蹴りを日々練習する空手家たちの試合です。恐らくですが、それはもう凄惨な試合になるでしょう。

死人が出てもおかしくありません。

 

こんな事をすると勝っても、負けても怪我は絶対にすると思います。

それでは空手なんて誰もやらないし、そもそも上達しない。

まぁ、結果として宮本武蔵状態で唯ひとり最強という人が出来上がるかもしれません。

でもそれでは空手道を広めることはできません。

 

そこで先人たちは考えたのでしょう。

空手を世に広めるにあたって、

「いかに実戦に近く、いかに多くの弟子たちを教育できるのか?」

組手練習をいかに安全に意味のあるものにするのか?

だからこそ「寸止め」なのです!!

剣術の試合や稽古で真剣を使って斬り合いなんてしないでしょう。

それこそ死んでしまいます。

 

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寸止めというのは、攻撃をギリギリ当てないで止める事でポイントとみなします。

これを振り抜いたり、ダメージを与えると制御できていないと見なされて反則になります。

ボクシングのスパーリングをしたりしていると思いますが、普通に攻撃しても全然当たらないのです。

でも相手の隙を突いて、相手の体勢を崩して、完全にガラ空きの状態にパンチをねじ込むと当たるのです。

そんな状態の時は、圧倒的にこちらが有利なので、当てなくて止めることも可能です。

これが「寸止め」なのです。

つまりこの状態に持ち込めば絶対的に倒せるのです。

 

これが空手で言うところの寸止めでポイントになるシーンです。

たまたま当たったとかでは、ポイントになりません。

振り回して当たって倒した場合、ボクシングでは勝利ですが、空手では勝利となりません。

私の感覚では、空手でポイントになる = 倒せる場面を作り出した!

という事かと思います。

 

なので私が思うに、組手の時はこんな感じだと思います。

 

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組手の試合で、寸止めの突きを先に私が入れたとしましょう。

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そう、この時点で実は実戦であれば私が勝っているのです。

試合はポイント制なので、試合の続きはありますが、本当の勝負であればこの時点で終わっています。

先に入れた方が勝ちます。つまり私の勝ちです。

連打は必要ないのです。最初の一撃で既に勝負はついてしまうのです。

何故なら素手だからです。

 

一方でやられてしまう事もありえますよね。

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このようにあっという間に先手を取られてしまう場合もあります。

そんな時はこういう感じになります。↓

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要するに一撃を入れられて、先手を取られていたならばその一撃で終わっています。

なので、実戦であればその時点で負けていたけど、まだ挽回のチャンスがある!

つまり敗者復活戦を用意してもらったようなものです。

ラッキーだと思うことにしています。

 

お分かりいただけたでしょうか。

 

寸止めという行為は、完全に勝つ状態にした!

つまり相手をその瞬間に圧倒したからこそ認められるものなのです。

運とか適当に入ってもポイントにはなりません!

 

知らない人はどうしてもノックアウトする事を持って勝利!と思っている人が多いと思います。

世の中のテレビで行われる格闘技のほとんどがグローブ前提だからですね。

 

そもそも空手とはスポーツではなく、武道です。

「組手」というのは、あくまで練習の一つであり、それをもって空手と指すものでありません。

 

だから勘違いをしてはいけません。

どの格闘技が強いとかそういう事じゃないんです。

一般的な伝統派の空手家ならば、寸止めせず裸拳で打ち抜けば、大抵の人は倒せます。

フルコンの空手家は、やる気になればいつだって顔面に重たい突きを打ち込めます。

私はボクシングで、本気で人を「殴る」という行為を時として怖く感じます。

この一撃で、相手が怪我をしたらどうしようとか思ってしまいます。

もし相手を徹底的に叩きのめすことが「強い」と言うのであれば、それは私の目指す空手の道ではありません。

 

実際には当てない攻撃!!

寸止めというこの考え方は、素晴らしいと私は思います!

皆さんはどう思われますか?

 

www.karatekagolf.com

 

 



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