今回の空手の魅力シリーズは、「実は色々ある攻撃」についてです。
まずコレ何のことかわかりますか?
・上段への強い蹴り技は反則
・顔面への強い突きは反則
・下段への攻撃は反則
・押したら反則
・掴んだら反則
本の一例ではありますが、これは伝統派空手の組手の試合時における反則の一部です。
もっと細かいことを言えば、組手の際に攻撃が顔に当たると反則になる場合があります。
KOしてしまったら問答無用で反則負けです。
格闘技としてのイメージは、なんなら倒したほうが強いという事になると思いますが、空手の「組手」は違います。
最近の伝統派空手の組手は国際化をより意識した形なのか、安全面を重視したルール改正がされています。
例えば「ジュニア・カデットルール」と言われる特に少年少女に合わせて、ほんの少しでも突きが相手に触れたら反則と結構厳しく反則とされます。
以前ならば文句なしにポイントが取れた攻撃が、すべて反則となってしまう訳です。
これはつまり安全面を重視したルールですね。
人によっては、最悪だ!!という人もいるでしょう。
でも、私自身はこれはこれでありだと思います。
脳へのダメージは、正直将来的にどうなるのかわかりません。
今は大丈夫でも、40歳・50歳を超えたら症状が出る場合もあるようです。
ボクシングを引退した人が脳にダメージを受けて、晩年何らかの症状が出るなんて事も聞きますし、、、。
全く影響のない人もいるでしょうけど、少しでも避けられるならば、避けるべきだと思います。
さて、空手は「組手」が全てではありません。
試合形式でやる事が多いので、たまたま注目されがちですが、空手の稽古の一つでしかありません。
昔の空手家は結構投げ技や掴み技なんてのもやっていたそうです。
伝統派ではないですが、あの極真空手も昔はバンバン投げていたそうですから、昔はより攻撃パターンが多かったのかもしれませんね。
組手の試合では実際に組み合う事はないですが、投げ技は今でもありますね。
でも柔道のような豪快な投げ技ではありません。
危険な投げ技は組手では反則となります。
でも結局これらは「組手の試合」では反則なだけです。
空手自体は、スポーツではなく武道です。
相手を倒す、制圧する事がある意味目的です。
スポーツはルールがありますが、戦いにおいてはルールなどありません。
簡単な例でいうと、その戦い方は「形(型)」に表れます。
形は架空の相手に対して攻撃と防御をしますが、形によっては突きが殆ど出てこない形もあります。
要するに投げ技や、組技がメインなのです。
最初は何だこれは?という動きも、解説とかを聞いてみると、実は相手を掴んでいたり転がしていたりと多彩な攻撃方法であった事が分かるのです。
形は単に言われたとおりに動けばいい訳では無く、相手がそこにいる事を前提に攻防を繰り広げるのです。
例えば、投げ・頭突き・転がしてからの追撃の突き・金的・間接蹴り等など結構えげつない技がふんだんに組み込まれております。
更に高段者の講習会などでは、通常の稽古以外にも結構こういった動きを教えてくれる先生も存在します。
ちなみにとある護身術の心得のある方に話を聞いたら、
「基本的には逃げる」
「助けを呼ぶ」
「近くに武器があったら間違いなく武器を使う」だそうです。
武器が無くて、助けもなくどうする事もできない場合にのみ護身術を使うそうです。
話は戻って空手の先生に教えてもらう、こういった技はかなり危険な技も多くて、相手の関節を決めつつ防御や受け身が取れない状態で攻撃したり、相手の関節を壊したうえで追撃するとかの戦い方だったりもします。
でもより具体的に、より実践的に考えるならばこれは至極もっともだと思います。
襲われたときに「組手で勝負だ!!」なんて事にはならないですからね。
以前ツイッターで見かけたある女性の体験談が、今でも心に残っています。
ご本人が割とポップな感じの漫画にしてましたが、、、。
簡単に言うと、一人暮らしの女性宅にいきなり見知らぬ男が現れ、襲われそうになったそうです。
殺される!?と思い抵抗した時に、知らず知らずに「構え」を取っていたそうで、そうすると男も簡単には襲えないとなり、最終的には男は逃走し、事なきを得たそうです。
その女性は、子供の頃に空手を習っていたそうですが、親にやらされていただけで、痛いし、つらいし嫌だったそうです。
でも、こうして身を守ってくれたのは、親が空手をやらせてくれたからだと刑事さんに言われたそうです。
護身術のつもりで空手を学んでも実際には役に立たない場合もあると思います。
というか、実際には相当な手練れでなければ、役に立たないと思います。
目の前にナイフや拳銃を出されて、平常心でいられる人はほとんどいないのではないでしょうか。
でも、空手を習った経験は人生のどこかで役に立つのかもしれません。
組手ではなく、相手を一撃で倒さなくてはならない場合、こういった突きや蹴り以外の戦い方になるのかもしれません。
実際に戦いにならなくとも、その戦い自体を避ける行動がとれるようになるかもしれません。
戦わずして、相手を知る事ができるかもしれません。
繰り返しますが、空手は武道でありスポーツではありません。
だからこそ相手を倒す、制圧するという意味でもこういった投げ技や組技、急所攻撃などは学ぶ価値のあるものであると思います。
私は組手競技だけでなく、こういった考え方は大事にしたいと思います。
皆さんはどう思いますか?
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