格闘技において最もよく使い、最も重要なパンチの一つであるジャブ。
色んな高度なテクニックがあるのですが、私が今回書くのは基本的な使い方です。
ご参考になれば幸いです。
1.ジャブってなんだ??
パンチの中で基本中の基本とも言える、ジャブですが実に奥が深くて色々な工夫ができるパンチでもあります。
左を制する者は世界を制すにもあるように、左手を上手に使えると試合を優位に進められるのでしょう。
ジャブは最も出しやすく、最も当てやすパンチです。
このジャブをセンサーのように利用して、攻撃のきっかけを作ったりします。
また簡単に近寄らせないというけん制にもなります。
2.ジャブのポイントとコツ
ジャブと一言で言っても、いろいろな意識すべき点がございます。
結局どの点を大事にすべきなのかを考えると、以下のポイントが意識すべきかなと思います。
左は攻撃前のガードポジションですね。
普通に構えている状態です。
キックボクシングで言うともう少しグローブの位置は高いと思います。
さて、ここからジャブを打ち出すわけです。
ジャブは必殺のパンチというよりかは、ペースを握るため、予防線だったり、相手の虚を突くための餌だったりと用途は多彩です。
相手として「嫌だな」「ウザったいな」と思わせる事が重要です。
ジャブで倒すとかではないのです。
上の絵で「意識すべき点」を赤い丸印で囲ってみました。
①左拳の位置
まっすぐに伸ばした拳が、相手の顔やらに届くか届かないかのギリギリの位置に打ち込みます。
また左拳の位置はガードポジションから攻撃後は、必ず元の位置に最短距離で戻します。
出すのも最短、戻すのも最短。
直線距離で地面とは平行に動かします。
要するに上下したり、ふらふらしないでください。
スピード重視で威力はあまり意識しない方が良いと思います。
力のないジャブでも、当てられると嫌なものです。
②肩の位置
ジャブに限りませんが、基本的に肩を顔よりも前に出して、あごの部分にぴったりくっつくぐらいにしながらパンチを打ちます。
肩をいれるとパンチが伸びます。
右のストレートもそうですが、この肩をいれると入れないとで見た目にも実際のパンチの当たりやすさ等の面で、非常に重要な要素になります。
ジャブはスピードを重視する必要があるので、この肩を入れるというのは距離を稼ぐという意味でも重要ですね。
是非意識してみましょう。
肩が入れば、パンチは必然的に伸びてあたります。
③膝の使い方
ジャブを打つときに、膝を前に出します。
人によっては「膝を抜く」という言い方をします。
子供のことにやられた膝カックンの感じでジャブを出す瞬間に膝を前に出します。
面白いことに膝を動かさずに打つジャブと膝を抜きながら打つジャブでは、威力スピードとも全然違います。
面白いくらいにスピードが上がり威力が増します。
私が思うジャブの一番のポイントは肩とこの膝の使い方だと思います。
慣れてくるとスピードを自在にコントロールできるので、面白いですよ。
④足の踏み込み
伝統派の空手では、常に踏み込みながら突きを放ちますが、ボクシングのジャブにおいても似たような使い方をします。
ただしそんなに大げさに踏み込むわけではありません。
なんなら踏み込むというよりかは、カカトを少し上げるぐらいでも良いのです。
ジャブを放つ際の踏み込みは、要するにステップです。
ステップをしながら前に踏み込んだと同時にジャブを放ちます。
当然ステップの分相手との距離は縮まるわけですから、少し離れたところからの攻撃に効果的です。
ボクシングでは意外な程にこの踏み込みが重要だそうです。
踏み込んで距離を詰めて打ち込んでから離れるというリズムが重要なのですね!
ステップはとにかくリズムを作る上でも早く移動するためにも非常に重要です。
ステップが上手になると色んな効果が出てきますので、是非ステップを向上させましょう!
とりあえずジャブを打つ際に気にしたい4つのポイントでした。でも、これをやったからとてはっきり言ってジャブは全然当たりません。
3.ヒットさせるためのコツ
実はどんなに素晴らしいジャブを打ったとしても、残念ながらなかなか当たらないのです。
とりあえず相手の目隠しになればよい程度でもいいです。
とは言え、ジャブは最も当てやすいパンチです。
という事で本日はジャブを当てる為の簡単なテクニックをご紹介と思います。
まずはジャブが当たらない理由は何か?では当たるジャブとは何か?を説明したいと思います。
①野球で考えてみる
下記のイラストをご覧下さい。
野球にヒントが隠されているような気がします。
テレビで野球中継を見ていて何故打てないのか不思議に思った事はありませんか?
左から繰り出されるストレートはキレが良く、伸びるボールを投げます。
この球もなかなか打てるものではありません。
でもプロなら速いだけならば当てられるのですね。
さあ!決め球には何と105キロのこのスローカーブ!!?
145kmのボールを見せられて、その直後に同じ手の振り方なのに、今度は105キロのスローカーブですよ。
打てる気がしません。
バッターは手も足も出ずに空振りをします。
これこそがジャブが当たる、当たらないと同じことなのではないでしょうか。
②ジャブのタイミング
ボクシングのジャブに置き換えてみましょう。
左の素早いジャブは言わば野球のストレートと同じです。
野球においても基本中の基本の球種ですね。
どんなに早かろうとも野球と一緒で、早いだけならば打たれて(避けられる)しまうんです。
ボクシングにおいては、要するに当たらないということになります。
でもこの速い球を見せておきつつも、先ほどのスローカーブ同様に少しタイミングをずらしてあげるといいのです。
上のイラストでは、途中でジャブを打つのをやめてます。
こうする事で相手のタイミングをずらして、軽いジャブなどパンチを浴びせる事ができます。
ポイントはお分かりだと思いますが、効かせる必要がないのです。
軽く素早く疲れないように打つのが大事ですね。
相手に嫌だなと思わせることが重要です。
③色んなジャブと狙い方
ジャブのポイントはタイミングだけじゃないんです。
最初に言いましたが効果はいろいろあるのと実に多彩な技が可能なのです。
攻撃の素振りを見せるだけとか、上記のイラストにもあったように途中で止めるとか、とにかくいろんな工夫ができるのです。
これは自分の思いつきでもいいし、自分が打ちやすいものを選んでも良いのです。
人のを真似すると上達が早いですね。
このイラストの左上の図を見てもらうとわかりますが、同じジャブでも高さを変えることで当たる可能性がぐっと増えます。
顔の上の方を狙う、あご先を狙う、ボディーを狙う。などなど
更に左下の図ですが、横もそうなんです。
相手の顔の左半分とか右半分とか当たりそうなところにジャブを打つんです。
相手のグローブの位置を見て、見えにくい所から打ち込むとより効果的です。
さらに右のイラストを見てください。
ジャブ、ストレート、フック、ボディージャブ、ボディーブローなどのパンチとジャブを合わせることで、意外と当たり始めたりします。
相手のグローブをわざと叩いて隙を作り出すとかいろんな方法もあるので、是非皆様ご自分の得意なジャブを見つけて見られてはいかがでしょうか?
4.まとめ
ということで、今回はジャブの打ち方についてでした。お役に立てそうでしょうか?
ジャブは難しいですが、上級者とやると自在にジャブを操るので参考になります!研究が大事ですね!
ペースを握る上でも大事ですし、実は防御へのつなぎにも重要です。
マンガみたいに上手にはいかないですが、でも確実にペースを握れるのは間違いありません。
下記の記事もご参照ください。
もう少し実際の動きを書いてます。
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