※この記事については、私自身の勝手な考えです。
すべての場合でケースも異なると思いますし、いろいろな考えがあることをご理解いただけると幸いです。
先日のことです。
会社の同期と久しぶりに飲みに行った時のこと。
同期の子供は、現在小学3年生の男子だそうですが、いじめに遭っているそうです。
飲み会の席で他の同期もいる中での告白に同期皆驚きました。
内容としては、無視されるとか、馬鹿にされる的な事だそうですが、いじめに関する学校でアンケートがあって、その中で名前が複数のクラスメートから同期の子供の名前が「いじめを受けている」として上がったそうです。
そして学校側から面談要請があり、夏休み直後に先生と面談したそうです。
実際には息子に聞いても、あまり多くを語らず、いじめてくる相手の名前も言わないそうです。
これまでも特に怪我をしたり学校に行きたがらないと言うこともなかったそうで、非常に驚いたと同期は言っていました。
そんな中、その同期から「空手を習わせたらイジメはなくなるのか?」と問われました。
おそらく全く関係ない無責任な立場であれば「空手を習わせて強く鍛えて、そんな奴ら叩きのしちゃいえばいいんだよ!」と言っていたと思います。
でも、真剣に困って私に意見を求めてきた同期に対して、私は何も答えられませんでした。
よく空手道場の生徒募集のポスターとかに、「心身とも強く!」「イジメに負けない!」とか「強くなる!」とか書いてあります。
でも空手さえやればいじめが無くなる訳じゃないし、逆に空手をする事で悪化する場合もあり得るかもしれません。
中途半端に強くなったがゆえに、とんでもない怪我をしたり、させたりするかもしれません。
そんなことを考えると、無責任に「空手はいじめを防ぐ特効薬だ!」とは言えませんでした。
そもそもイジメに負けないという考え方を単純に空手で解決させようとすれば、単に暴力を持って解決しようという事だと思います。
でもそれって要するに喧嘩ですよね。
イジメは喧嘩とは異なります。
喧嘩はある意味対等に近い立場で行われるものであり、それであれば格闘という意味で空手は役に立つのかもしれません。
※私は兄弟喧嘩以外に喧嘩をした事がないのでそもそもわかりません。
でもイジメは圧倒的に一方が強い立場、一方が弱い立場です。
その存在自体が卑怯の最上級です。
またその内容は直接的に殴る・蹴るの暴力だけとも言えません。
精神的に削るような事もまたイジメです。
相手の退路を無くしたり、相手の自尊心を傷つけたりする事もあるのです。
徐々に弱らせていく事を楽しむクズもいると思います。
相手が直接手を出していない中、怒りに任せて暴力を振るったら、こちらが悪いということにもなるでしょう。
その結果、ますますイジメはエスカレートしたり、もう取り返しのつかない事になるかもしれません。
空手を習ったらいじめを回避できるのかという点で言えば、暴力的なイジメを打開できる可能性はあるかもしれませんし、あいつは空手やってるからと言ってそもそも回避できる可能性はあるかもしれません。
でもそれはイジメと言われる行為の中の極一部を回避しているだけな気がします。
今まさに大人だからこそですが、学校だけが全てじゃないという事を知っています。
だから嫌になったら、出ていけばいいし、いくらでもやり直せる、どんな状態でも生きて行けることを知っています。
世の中いろんな人がいるので、合う人も合わない人もいることを知っています。
いつかきっと素晴らしい友人に出会える事を知っています。
だから出ていくこと、逃げることは全然問題じゃありません。
ましてや学生の身分、自分の心配だけすればいいのですから。
出ていくことはある意味、時間的には負担ですが、現状をよりよくするための前向きな行動です。
さて、私は同期から「空手を習えば虐められなくなるのか?」という事を聞かれたのですが、私の回答は以下のとおりです。
では週に1回近所の空手教室に通ってイジメはなくなるのか?
喧嘩にも勝てるようになるのか?
答えは「それは無理」です。
いじめの原因次第なのでしょうけど、あいつ喧嘩でも勝てそうだし生意気そうだから、からかってやろうみたいな事からエスカレートして、徹底的に追い込んでくる相手がいたとしたら、解決方法は結局喧嘩に勝つことで終わるのかもしれません。
※私の甥っ子(実兄の子)は皆フルコン空手を小学1年生からやっていますが、転勤族で数年で引越しを繰り返します。
でも空手をやっているせいか、基本的にいじめられる事はないし、友達もすぐできると本人たちが私に言ってきたので、そうなのかとは思います。
その前提で書きます。
自分は大人になってから空手とキックボクシングを始めたクチなので、学生のことはわかりませんが、仮に自分が学生だったとして、今の格闘技の実力を持っている状態ならば、喧嘩であれば普通の相手には負けないと思います。
少なくとも同じ体格の格闘技経験なしの人間ならまず負けないでしょう。
この状態であれば、イジメようとしてきたら反撃が可能です。
イジメみたいな卑怯なことをする人間には、容赦なく物理的な攻撃で反撃を入れることも可能ですし、ビビらせて引かせることも可能かもしれません。
でも、この状態の人をで苛めようとする人間がそんなにいるでしょうか?
もしその上で尚、何かするようであれば、喧嘩とかではなくもっと根が深い原因があるのだと思います。そうなると喧嘩や腕っ節では回避できない事象です。
※例えばパワハラなんかも力で解決できない事象です。
では、格闘においてこの程度の実力を手に入れるには、週に3日、4日ジムや道場に通い、体を鍛えて数年したら勝てるようになると思います。
でも、相手が体が大きかったり、格闘技をやっている奴だったら、勝てるかどうか怪しいです。
そこまでやって負けてしまったとき、一体今度は何にすがれば良いのかわからなくなるかもしれません。
そもそも強くなるまで数年間待てますか?
数年間耐えられますか?となってしまうのです。
更に言うと実際に勝てるようになる為には、相手を殴る事も慣れなきゃいけないわけです。
素手で人を殴るという行為の恐ろしさを分かった上で殴れるか?
殴られる恐怖もありますが、殴る恐怖もまた存在します。
素手の殴り合い、ましてや格闘技を学んだ人間なら骨折などの怪我、一生ものの怪我や後遺症だってありえます。
伝統派の空手では寸止めです。
当てるための訓練を積まない行けません。
殴る練習というのは逆に言うと殴られる練習でもあります。
小学生や中学生のうちに脳が揺れるような激しい打ち合いを練習させることは私はお勧めできません。
フルコンタクトの空手も体をガンガン殴られる訳で、その練習自体についていけないという子もいるようです。
いじめに悩んでいる人の多くは、あまり自己主張しない優しい性格の持ちぬしが多いような気がします。
空手についても合う合わないということも正直あるような気がします。
空手道場に預けて稽古をしているからもう安心だ!と考えるのは全くの間違いだと思います。
強くあって欲しいという親の願望と子供のやりたいが一致していなきゃなりません。
大人も子供に寄り添って空手を学ばせるその覚悟もきっと試されます。
人任せにしてうまく回るのは偶然な気がします。
こんな風に書くと、空手はいじめに対して効果はないと見えてしまうかもしれません。
でも単純に考えて、格闘技や武道をやっている人を虐めてやろうとかからかってやろうとか思いますか?
普通はそんな事はあまり思わないですよね。
これこそが一番のメリットである抑止力だと思います。
なのでイジメの予防として空手を習わせるというのは、私個人の考えとしては非常に有効だと思います。
そして空手を学ぶことで色々有効な事が出てきます。
空手仲間ができることで、ピンチの時に助けてくれたり、学校以外の他の世界が作れるのはメリットです。
確実に週に1回程度の稽古ですと、勝ちきる実力はつかなくても、戦いに備える基礎知識は得られるので、場合によっては役に立つはずです。
もし稽古が楽しく感じて、週に何度も稽古できる状況であれば実力は当然付きます。空手の実力者は相当強くなります。
実力がつくということは自覚できます。自覚すると自信がついてきます。
自信がついてくると余裕が生まれてきます。つまり気分が楽になるのです。
お笑い格闘家のドランクドラゴンの鈴木さんは、確かに暴力をふるったりはしないけど、やる気になれば1分で倒せるというその思いが、心に余裕を生むと言っていました。
私もその通りだと思います。
恐らくそうなったらイジメの対象として選ばれないでしょう。
長らく書いてきましたが、空手は自分自身の鍛錬だと私は思います。
喧嘩の手段ではないし、暴力を助長するものではありません。
この部分については綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、人生を豊かにしてくれるものだと思います。
一方でイジメに関しては世の中多くある訳ですし、ここは綺麗事では済まされません。
悩んで・辛くて・逃げたくて・ここから消えたいなんて思う人もいるかもしれません。
もしそこまで追い込まれる人が居るのだとしたら、どうか誰かを何かを頼ってみてほしいです。
当然空手でなくてもいいと思います。
別に柔道や剣道の武道や格闘技じゃなくても、自分の居場所がここにあると思えればなんでもいいと思います。
私はたまたま空手を習ったら楽しくて、キックボクシングを習ったら楽しくて、そうして好きな事をしてたらいつの間にか、肉体的にも精神的にも強くなったと思います。
別に強くなることが大変に良いことだとは思いませんが、何もしないのであれば試してみるのもありだと思います。
ドラえもんがのび太に対して
「そりゃあ、良い事ばかりじゃないけど、悪いことばかりでもないだろう」
と言っているシーンがありました。
その通りだなと思います。
いい人ばかりじゃなないけど、悪い人ばかりでもないだろうという事ですね。
時には良くても時にはダメというのは世の常です。
そもそもイジメは別に子供の世界だけじゃないのです。
大人の世界のいじめの方がよほど深刻な気もします。
もしも私が会社とかでイジメにあったら、やっぱりその会社から出ていきます。
ただし!出て行く前に相手をボコボコにしてから出ていきます。
何故なら自分ひとりがやられるだけの人生だと絶望してしまうからです。
なので等価交換、相手にも相応の不利益を被らせてから出ていきます。
なんて格好良く言いたいところですが、間違いなく警察に捕まっちゃいますからね。
でも鈴木拓さんじゃないですが、やる気になればいつでも倒せる!!と思うことで少し余裕が生まれるんです。
負の連鎖とか暴力しか生まないとか人は言うでしょうけど、それで許せる人であれば、許して出ていけばいいと思います。
多分ですが私にはできません。
イジメに関しては、綺麗事じゃ済まされないでしょう。
イジメに遭って辛くて、、、っていのを長らく繰り返すと、反撃しようという気さえ起こらないらしいです。
だから反撃してやる!絶対に許せない!!って思うことも時に重要なのかなと思います。
繰り返しますが、みんな仲良く、友達百人できるかな?なんて事は絶対にありえませんしね。
私はこの綺麗ごとの理想論が大嫌いです。
でも私は運がよく、友達にも恵まれたのであまりイジメとかに関わって来なかったのだと思いますが、だけど生きてきた人生で何度かはそんなシーンを見ています。
同級生とかでコイツほんとにクズだなと思うやつはいました。
相手を陥れて楽しんでるクズ野郎でしたが、同窓会とかでそいつが出てくるとみんなに無視されてます。
結局見ている人は見ているのです。
因果応報できっと自分に帰ってくるものだと私は思います。
もしも、いじめで悩んでいる人が居るのだとしたら、 誰かを頼って積極的にヘルプと言ったら良いのではないでしょうか。
もしもお子さんがイジメに悩んでいる親御さんがいるのであれば、一緒になって解決策を必死に考えなきゃならないのではないでしょうか。
どちらにしても辛い事だと思いますが、誰にでも起こり得ることであるのは間違いありません。
我が子がイジメに、、、って思うだけで胸が苦しくなりますよね。
だからこそ一緒に悩んで一緒に前に進められたらいいと思います。
きっと理解してくれる人はどこかにいるはずだと私は信じたいです。
最後に私が過去に通っていた、キックボクシングジム(ガチなジム)の会長は、徹底的に実践を掲げていました。
そこで育った小学生はめちゃくちゃ強かったらしく、中学に上がったら早速3人の先輩に呼び出されたそうです。
そして案の定3人とも倒した事を誇らしげに話していました。
ところが、今度はその小学生(そのときは中学生)がイジメをしたという事を聞きつけたらしいのですが、会長は早速呼び出してボコボコにしたらしいです。
大人(元プロキックボクサー)が中学生を全力で倒したらしいです。
要するに鉄拳制裁です。
でもこうする事で結局その中学生は更生して、3年生の時は生徒会長になったそうです。
綺麗事じゃ無いんだなと思います。
ちょっと極端ですけどね。
空手はイジメを解決する直接的なツールにはならないかもしれませんが、人生を豊かにするツールには間違いなくなると思います。
というか、私はそうですから。
長文・駄文失礼しました。
本記事においては、あくまで個人的な意見として書きました。
一個人の勝手な見解として読み飛ばして頂ければ幸いです。
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