【いい話】笑わぬサムライ先生 鋭い眼光が今日も生徒を見つめます!

武道・格闘技をやっていて、たまに面白い話や良い話を聞けたりします。

また武道や格闘技をやっていたからこそ起こり得る体験なんてのも世の中にはあるのです。

空手や格闘技に関する私が過去に聞いたり・経験・体験した

「ちょっといい話」

を書いてみたいと思います。

 

 

1.サムライ先生

高校の剣道部の顧問は一切笑わない先生でした。

生活指導や風紀指導の先生というわけではありませんでしたが、とにかく笑わない先生として、「侍がいる」として有名でした。

年齢は今にして思えば、40前後だったのだと思います。

田舎の県立高校だったので、剣道部が強いとかではなかったのですが、先生は相当強かったそうです。

現役の剣道部員が一人たりとも先生に勝てないと言っていたレベルです。

公務員?(もしくは先生)の全国剣道大会では毎回決勝に行くほどの腕前で、警察にも指導?(もしくは稽古)によく出かけて行っていたようです。

雰囲気は寡黙、、近付きがたい、、まさに侍でした。

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同じ高校に通っていた3つ上の兄からサムライ先生の逸話を聞いたことがありました。

ある日、男子生徒が自転車で二人乗りをしているところを、サムライ先生に見つかった時の事。

侍「自転車を降りなさい」

生徒「はい。すみません。でも急いでいたんです。」

侍「でも二人乗りは危ない。ダメだ。」

生徒「いや、でも、、。」

侍「でも、とか言い訳するな!!トドメ刺すぞ!!」

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あまりの迫力と言葉のインパクトに二人乗りした男子生徒は震え上がったそうで、サムライ先生の噂は学校中に、下手をすると止めを刺される!」として広まったそうです。 

雰囲気があまりにもマッチしすぎていたので、アンタッチャブルな感じだったのでしょう。

私が入学した際も、絶対に怒らせてはならない先生として有名でした。笑

 

2. 体育は剣道の授業

私の高校は体育の授業がなぜか剣道でした。

まぁ20年以上も前の話でですので、記憶もおぼろげですが、女子は家庭科で料理作り、男子はマラソンか剣道という酷い格差に悩んだものです。

剣道は経験者の方はわかると思いますが、学校にある使い回しの剣道防具は、歴代先輩方の汗と涙が染み込んでおり、大変な「重みと臭い」がありました。

 

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ファブリーズとかアルコール消毒という概念が恐らくあまりない時代。

剣道の時間は、割と新しい防具(特に小手)を求めて、我先にと武道場にダッシュするのが恒例になっていました。

 

体育の時間は、基本剣道ですが剣道自体は意外と楽しかったです。

私は何故か未経験者の中では、結構強くてトーナメントで試合をすると大概、決勝には残る感じでした。

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そして、決勝を勝ち終えると剣道部員との試合をするのですが、スピード・パワー・間合いなど全く手も足も出ませんでした。

自分より体の小さな生徒に吹っ飛ばされるという驚きを感じたのはこの時が初めてです。

ちなみにサムライ先生は指導をするのではなくて、見ているだけ。

指導は基本的にクラスの剣道部員がしてくれるという、そんな変わった体育の授業でした。

 

3.体育のマラソン事件

高校2年の頃でした。

体育の授業は冬場はマラソンに変わります。

これが結構辛くて、学校の近所を5キロか6キロくらいをただ走るという授業でした。

田舎でしたからね、、。

この時の先生は別の体育教師です。

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ある日事件が起きました。

といっても悪いのは私なのですが、、、。

私と友達のAくんの二人で、途中で隠れてサボったのです。

そしてあっさりバレました。

担当の体育教師は激怒し、私とA君は思いっきりビンタされました。

先に見つかったA君は既に既にボロ雑巾のようになっており、私は張り手のようなビンタをいきなり喰らいました。

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激怒する体育教師が騒いでいる時に、ふとサムライ先生が現れました。

ちなみにサムライ先生は先生同士でも笑わないらしく、ちょっとほかの先生たちとの距離感がわからないというのが本音です。

侍「お前たち、サボったのか?」

私「はい。すみません。」

侍「・・・。そうか。」

侍「〇〇先生(体育教師)、こいつら私に任せてもらえますか?」

そう言うと、体育教師も頷くしかなかった。

サムライ先生はその場はそれで収め、放課後に剣道場に来るように言いました。

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それからの時間は憂鬱以外の何物でもありませんでした。

 

4.サムライの指導!

放課後武道場に行ってみると、剣道部員が練習しており、サムライ先生もいました。

サムライ先生は端っこに座るように言って我々を座らせました。

そして、暫くしたら「打ち込み稽古なるものを始めました。

私もAくんも、これなに??と思いながらただぼーっと見てました。

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打ち込み稽古は単純に片方の人が、もう片方の人に対して打ち込みを行う稽古のようでした。

しばらく見てたのですが、ちょっと異変に気がつきます。

この稽古がまったく終わらないのです。

人は交代してやるのですが、既に何十分も経過しています。

部員たちは汗だく(見えないけど)で息も上がっています。

でも続くのです。

しかも休みなし!!

部員たちはフラフラになりながら打ち込みを続けます。

私もAくんもその迫力に圧倒されました。

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1時間近く稽古は続いたような気がします。

サムライ先生は、その稽古が終わると我々のところに来て

「帰ってよし!」

と一言だけ言いました。

我々は多分青ざめた顔で、武道場を後にしたのだと思います。

サムライ先生が言いたかったのは、

あの稽古を見て自分たちが何を感じるのか?

自分で考えろ!

という事だったと思います。

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我々はそれを見て反省したのは言うまでもありません。

自分たちが行ったマラソンをサボったという事ではなくて、同じ高校生がこんなにも何かに打ち込んでいるのに、

ダラダラと過ごしていた自分自身の普段の生活を

非常に恥ずかしく思った

のです。

これがサムライ先生の指導方法なんだなと私は思いました。

ちなみに剣道部員に聞いたら、

「いや、俺たちも意味はよくわからなかった」

「入部希望者かと思った」

と言っていました。笑

 

5.笑わぬサムライの理由

受け持ち生徒がバイクの事故で亡くなった時から笑わないとか。

無愛想過ぎて奥さんが見つからなかったからとか。

剣道のやりすぎで、修行者だからだとか。

武家の家系で、笑うこと自体遺伝子が持っていないとか。

一子相伝の伝承者だからとか。

みんな好き放題言っていました。笑

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結局のところサムライ先生が笑わらないのは、単に性格ということらしいです。

でも、ほかの教師が激切れしてぶん殴る時代に、明らかに強いのにも関わらず、暴力に訴えることなく、

その風体と目つきだけで黙らせる本物であったと思います。

 

剣道をやっていたからというのもありますが、サムライ先生は本当の

侍・武士道

の人だったと思います。

 

ほとんど会話したこともありませんでしたが、武道を嗜む指導者としてはある意味理想的な人だったようにも思います。

 

みなさんの周りにもこんな侍いませんでしたか?

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