武道・格闘技をやっていて、たまに面白い話や良い話を聞けたりします。
また武道や格闘技をやっていたからこそ起こり得る体験なんてのも世の中にはあるのです。
空手や格闘技に関する私が過去に聞いたり・経験・体験した
「ちょっといい話」シリーズです。
- 1.おじいちゃん先生の空手教室!
- 2. 太っちょ先生がやってきた!
- 3.下町のいきり中学生
- 4.中学生大暴れ
- 5.太っちょ先生とイキリ少年
- 6.その男凶暴につき!?
- 7.太っちょ先生の追い込み
- 8.下町ダーティーハリー
1.おじいちゃん先生の空手教室!
私が通うジムのトレーナーのBさんの少年時代の話です。
Bさんは小学2年生から空手を始めて小学6年生になった時の話だそうです。
元々おじいちゃんの師範が一人で小学校の体育館で空手を教えていたそうです。
空手を習うのは20人ほどの小学生たち。
優しい先生で子供達は皆、のびのびと空手をやっていたそうです。
ところが度々その小学校を卒業した地元の中学生4人がフラフラと体育館にやってきては、体育館で練習していた女子バスケットやチアリーダーの練習を邪魔したりしていたそうです。
その地域は所謂東京の下町。
あまり上品な場所ではなかったそうです。
髪の毛を金髪に染めた中学生は、ヘラヘラと笑いながら小学生の女の子にボールをぶつける真似をしたり、チアのコーチである学校の若い女の先生をからかうような言動をしていたそうです。
あまりにもしつこく邪魔をしているので、少し離れたところで練習していたおじいちゃん先生も気がつき、子供の空手を見学していたお母さんたちも、ザワザワしていたそうです。
見かねたおじいちゃん先生が、少年達を諌めると
「うるせえクソじじい!!ぶっ飛ばすぞ!!」とまるで聞く耳を持ちません。
「こんなじじいの空手なんて、意味ねーって!!笑」とひとしきりからかうとどこかへ行ってしまったそうです。
Bさんはじめそこにいる少年たちは、恐怖と悔しさで一杯だったそうです。
2. 太っちょ先生がやってきた!
おじいちゃん先生は年の割には元気だったが、腰が悪いとかでしばらく練習を休むことになったそうです。
代わりにやってきた先生は、非常に太っていたそうです。
先生は40歳くらい、身長165cmとさして大きくはないのに、体重は100kgをゆうに超えるであろう巨体だったそうです。
おじいちゃん先生の弟子だったそうですが、とてもひょうきんな先生で子供たちは、この先生の事が大好きだったそうです。
先生はいつもゲームをしながら空手を教えてくれたそうです。
そして食べ物の連想ゲームをしながら空手の練習をするという、子供たちは大笑いしながら練習したそうです。
後にも先にもこんなに楽しい空手の練習はなかったとBさんは言っていました。
3.下町のいきり中学生
その地域は結構荒くれ者が多くおり一応東京都内ではあるものの、治安が良くない事で割と有名なエリアだったそうです。
そして中学生になると、当時はみんな髪の毛を染めて迷惑な行為をする者も少なくなかったそうです。
中学生達は、夏近くになると暇なのか毎週毎日、小学校に現れては卒業生だからと言いながら、小学生をいじめたり、学校の先生に対してふざけたり、学校にイタズラというか嫌がらせに来ていたそうです。
当時も結構問題になったらしいのですが、あまり学校として事を大きくしたくないらしく、面と向かって中学生を叱る人は誰もいなかったようです。
ついには物がなくなったり、小学生に無理やりタバコを吸わせたなんていう噂話も聞こえてくる始末です。
普通の小学生たちは彼らのことが怖くて、学校に寄り付くなくなって来ました。
4.中学生大暴れ
ある日のことです。
空手の練習時間の少し前に体育館についたBさんは、友達と道着に着替えながらふざけたり鬼ごっこをしていたそうです。
そしてついに事件が起こりました。
今日もまた中学生4人組は、体育館の女子バスケットの練習を邪魔していたそうです。
その時たまたま誰も大人がおらず、中学生達は練習している女子バスケットの女の子たちにバスケットボールを投げつけたりして笑っていたそうです。
そこにバスケットの顧問の若い女の先生がやってきて叱りつけたそうです。
ニヤニヤしながら中学生は若い先生に対して、侮辱的な言葉を浴びせます。
中学生A「うるせーブス!女のくせに調子乗ってんじゃねーぞ!コラ!!」
中学生B「うわーブス!キモイわ!ブスブス!!触んなや!!」
それに怒った先生が中学生を平手打ちしてしまったそうです。
4人組の中学生はこれ幸いとばかりに、女の先生をビンタしました。
その後、座り込んでしまった先生に後ろから飛び蹴りをしてから、
中学生C「おらー!!服脱がせー!!笑」
と悪乗りしながら、服を脱がす真似をしたそうです。
女子バスケットの生徒たちは、泣き出してしまい、Bさん達空手小学生たちもかなり慌てていたそうです。
5.太っちょ先生とイキリ少年
中学生達が女の若い先生に対して、掴みかかっているそのとき。
気がついたら太っちょ先生が立っていました。
中学生達は口々に
中学生A「おいチビデブ!!気持ちわりーんだよ!」
中学生B「デブマジで終わってんな!糖尿病で死ねよ!笑」
中学生C「だっせーよく生きてんねー!ぎゃはははは!」
中学生D「こいつ絶対昔いじめられっ子だぜ!空手なんてやっても無駄だって!」
口々にそんな悪態をついたそうです。
太っちょ先生はずーっと中学生の言うことをニコニコしながら聞いていましたが、彼らを無視するように、女の先生にニコニコしながらこう言いました。
太っちょ先生「〇〇先生、子供たちを連れて、ちょっと体育館の外へ出てもらえますか?」
すると今度は中学生が騒ぎ出します。
中学生A「ああ!?てめえ!やるってのか??」
中学生B「デブ!!まじきれたわ!ぶっころすぞ!!」
中学生達がふとっちょ先生に罵声を浴びせいている間に、女子バスケットの先生と女の子たちは体育館の外に出ていきました。
太っちょ先生は女の先生に対して、
「直ぐに終わりますから、誰にも言わないでくださいね。」
とニコニコしながら言ったそうです。
Bさんと友達は、逃げるタイミングを逃して物陰に隠れてみていたそうです。
本当は逃げる機会はあったようですが、好奇心が勝ったとBさんは言っていました。
6.その男凶暴につき!?
女子バスケットの先生と生徒が体育館から出ていき、扉が閉まったその瞬間でした。
太っちょ先生の隣にいた中学生が、いきなり倒れました。
見ると鼻血が出ています。
倒れた本人はじめ、誰も太っちょ先生がやった事だとわからなかったようです。
中学生は一斉に太っちょ先生に罵声を浴びせます!!
中学生A「てめぇ!!!ふざけんなこのやろう!!」
と行った瞬間に、先生の蹴りが中学生の太ももを捉えました。
中学生はそのまま倒れると「ぐあぁあああ!!」と言いながらのたうち回ります。
中学生B「おいこら!!お前!!こんな事して許されると思ってんのか!?」
と、ふとっちょ先生に言い終わらない内に、先生は顔面に渾身のワンツーを決めました。
先生の巨体はまるでゴムボールのように弾んで、中学生がぶっ飛んだそうです。
ボゴッという鈍い音が聞こえ、両方の鼻から大量の鼻血が出ていました。
中学生C「てめぇ!!大人なのに!こんな事、、、。」
と言いかけたのを遮って、
ふとっちょ先生「おいおい、俺は先生でもなけりゃ、警察官でも裁判官でもねーよ。俺は大人であるけど、なんでお前ら俺が良いやつだと思ってんの??笑」
と半分笑いながら、そして今まで聞いたことのない低い声で言いました。
中学生C、D「え、、、。」
太っちょ先生は、中学生Cの肩を持ったかと思うと、まるで跳ねるかのように膝を突き出して中学生のお腹に激しく打ち込みました。
中学生Cは「おげえええええええええ!!!」と言ったあとに、言葉は出なくなり吐き出したそうです。
その容赦のない攻撃に見ていたBさんたちも恐れおののいたそうです。
太っちょ先生「オジさんさ、もう今年で41なんだわ。厄年なんだよお。でもオジさんのくせに今だに短気でさ、気に入らないことがあるとすぐ手が出ちゃうんだよ。」
そう言うと、横でうずくまっている中学生の頭を足で踏みつけました。
その顔は完全に笑っていたそうです。
最後に残った中学生Dは気がついたのです。
全てにおいて誤りであったこと、そしてもう遅いということを!!
そして触れてはいけない、関わってはいけない大人が居ることを!
7.太っちょ先生の追い込み
太っちょ先生は、中学生Dに対してこう言います。
太っちょ先生「お前らのせいで、俺の人生は終わるんだよ。」
中学生D「え、、、??」
太っちょ先生「俺はリハビリ中なんだよ。今回も問題起こさなかったら就職できるはずだった。だが、この騒ぎだ!!お前らのせいだ!!」
太っちょ先生は続けます。
「お前らがいなかったら、そのまま就職して結婚して幸せに暮らせた!!だが、おまえのせいで全て台無しだ!!俺がこんな目にあってるのに、お前らはこの先どうなる?あん??お前は結婚すんの?昔やんちゃしてました!とかで終わらせる気か?」
さらに続けます。
「俺が全然幸せじゃないのに、お前らが幸せに暮らしていくことは絶対にさせねえ!!お前らの人生も何十年かかっても台無しにしてやる!!」
さらに続けます。
「絶対にだ!!てめぇら二度と笑えねえように今からしてやるよ!!」
中学生はあまりの理不尽な発言に茫然自失だったようです。
そして怯える中学生Dに向かってこう言いました。
「まずお前!!お前らのせいでお連は一生童貞だ!だからお前も道連れだ!!」
そう言うと、中学生Dの金的を蹴り上げたそうです。
中学生Dの悲鳴は恐怖と絶望の叫びだったとBさんは言っていました。
そしてBさんは「この人やっぱり童貞だったんだ、、。」とそこが気になったそうです。
8.下町ダーティーハリー
中学生に容赦ない制裁を加えた太っちょ先生は、実はフルコン空手の全日本大会出場の常連で
「ミニ戦車」
「ミニブルドーザー」
「トロルの息子」
などの異名を持つ空手家だそうです。
実におじいちゃん先生の30年くらい前の教え子で、その時もまだ空手を続けていたそうで、代打も快く受けてくれたそうです。
中学生制裁事件の影響か、それともおじいちゃん先生が戻ってきたからなのか、ふとっちょ先生に会うことはもう無かったそうです。
でも、強烈なインパクトで学校中のヒーローになった事は言うまでもありません。
残念ながら女子バスケットの先生とのロマンスとかも特になく、しばらくしたら誰も話題にすらしなくなったそうです。
そして何より太っちょ先生の制裁が強烈だったからなのか?
もうあの中学生4人組を見かけることは無かったそうです。
ある日Bさんは学校で、女子バスの女の先生に聞かれたそうです。
先生「あの空手の先生はたまに来るの?」
Bさん「ううん。もう来ないよ。」
先生「そう、、。お礼言いたかったなぁ。」
Bさん「僕らもサヨナラも言ってないよ。」
先生「・・・・。」
ちょっと気まずくなったBさんはこう言ったそうです。
Bさん「なんかあの先生さ、サモハンキンポーみたいじゃない?笑」
先生「ううん。きっとダーティーハリーだね。」
そう言って先生は少しだけ笑った。
Bさんはダーティーハリーを知らなかったので、何のことだか分からなかったそうです。
でもきっと、そのダーティーハリーは強くて面白い人なんだろうなと思ったそうです。
「尊敬は出来ないけどね。」と笑うBさんはきっと素晴らしい空手家に出会ったのだと私は思います。
どこまで本当かは分からないですが、見せてもらったその人の試合の動画を見る限り、この人に喧嘩売るとかあり得ない迫力でした。苦笑
※サモハンキンポー、ジャッキーの映画に出てくる太ったカンフーの達人
※諸々の事情で私が脚色してますので、ご理解くださいませ!
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