本日はちょっと道具のお話です。
伝統派空手の練習で、皆さんどんな道具を使ってますでしょうか?
私は実際に当てる「ミット」があればより良い練習ができるかもしれませんよ。
1.ミット練習のメリット・デメリット
今回は伝統派空手の練習に限定します。
伝統派空手の練習では「ミットは使わない!」という人も結構いるかと思います。
実際に会社の空手部の師匠(年齢的には10個下)は、松濤館流2段、高校時代は東北地方で2位の実力者でインターハイにも出ている人です。
でもそんな彼もミットを使った経験は殆ど無いそうです。
ですが、やはり実際に当ててこそ
距離だったり、拳の当て方が分かる
と思うのです。
私の場合、突き方、蹴り方とかは実際に当てるから分かる事もあると思うのです。
なので、ミットは役立つと思うのです。
では色んながミット練習のメリット・デメリットです。
【メリット】
・実際に当てるので力加減が分かる
・自分の距離、届く限界の距離が分かる
・連続攻撃のコンビネーションがやりやすい
・より実戦に近い感覚で練習できる
・防御の練習も可能
・息あげ練習も可能
・受けると防御の練習にもなる
・受けると目が慣れる
【デメリット】
・持ち手のスキルが低いと良い練習にならない
・攻撃を外すと持ち手に当たってしまう
・持ってる方も疲れる
・勢いのある蹴りを受け続けるとパンチドランカー症状になる
まぁ、こんな感じです。
確かにデメリットもあるし、持つ人がいないと練習できません。
でも私は色んな練習の中でも、ミット練習はかなり役立つ練習だと思っています。
自分で研究したり、防御の練習ができるのがポイントです。
2.ミットの種類
ハンドミット
パンチの練習に適しています。特にコンビネーションや素早い動作、防御の練習とかにもってこいです。打った時の音もいいので使っていて楽しいミットです。
ただし受け止めるミットではないので、力強いパンチが必要とはしません。手首を怪我した時とかは、このミットで練習していました。
ちなみにハイキックの練習もできます。
パンチミット
ボクシングのトレーナーがよく使うパンチ用のミットです。
蹴りを受け止める事は基本できません。軽くとかなら受けられますが。
キックボクシングにおいてもパンチの練習は重要なので、このミットは結構使います。
貧弱なパンチミットですと、持ち手が突き指したりするので、これも多少はしっかりした方が良いと思います。
キックミット
キックミットはパンチとキックをバランスよく受けることができます。
また強く蹴り込んだり、打ち込んだりする場合も受けやすいです。
但しハンドミットほどいろんな場所にパッとミットを出せないですし、パンチコンビネーションとかもパンチミット程は素早く受けれません。
でも、総合的にはこのミットがあれば全て事足りると思います。
ちなみにミットは2つで一つセットです。
買う場合はバラじゃなくて2つ同じものを買うことをオススメします。
こんな感じですね。
この他にも打ち込み系を意識したビッグミットやお腹周りを守るベリーミットなどがあります。
ボディミットベリーミット(ボディプロテクター)
ボディーの攻撃を受けることができます。
前蹴りを受けたりできます。
実はボディも正面の攻撃は結構耐えられますが、左のボディー(よく言うレバーブロー)とかはあまり貰うとヤバイです。
あと前蹴りや膝の攻撃もこのプロテクターで受けることができます。
ちなみに過去の記事もご参照ください。
www.karatekagolf.com
3.伝統派空手の練習にはパンチミットがお勧め
ミットの種類は色々とありますが、私がお勧めするのは実はパンチミットです。
キックミットじゃなくて、パンチミットです。
パンチミットはその名の通り、パンチを練習するためのミットです。
でもこれが伝統派空手の練習には結構マッチするのです。
キックのジムでバランスを正しく保つ事と、コンビネーションを素早く決めるための練習に最近はパンチミットでミット打ちをお願いする事が結構あります。
キックミットの場合、蹴り込めるので、蹴りの実践的な使い方・力の入れ方を理解する事ができます。
一方でパンチミットですと、本気の蹴りを受け止めることはできません。
なので、パンチミットの場合、蹴りについては割と当てるだけ。
強さ的には普段の蹴りの30%程度で蹴ってるイメージです。
では何故これが伝統派空手でマッチするのかというと、以下のような感じです。
①スピード重視
伝統派空手の組手ではスピード重視です。一瞬で決まります。
なので瞬間的な判断や技のスピードが重要です。
パンチミットの方が小さいのでミットを構えるスピードが早いです。
これによって突きや蹴りを瞬時に出させることができるのです。
②蹴りも受ける
パンチミットでも蹴りは受けようと思えば受けれます。
でもフルパワーの蹴りを受ける事はできません。
ですが小回りの利くパンチミットで片手で構えてそこに蹴ってもらう感じです。
特に上段蹴りや上段裏回し蹴りなど、片手でスピード重視で蹴ってもらう事が可能です。
打ち終わった後にバランスを崩さない事が重要ですね。
③パワーよりもバランスとスピード
伝統派空手の組み手を想定した場合に、相手を倒す技の力はあまり必要ありません。
しっかりとポイントを取る事に特化するならば、スピードよりも技の正確性やキレを磨くのに最適です。
小さな動きでしっかりと技を出す事が重要です。
④的が小さい
キックミットに比べて的が小さいので、突きはもちろん、蹴りも正確性を求められます。
これが実に重要で力任せに蹴ればよいのとは違って、狙いを定め攻撃のタイミングを一瞬で判断しなくてはいけません。
的が小さいので正確性を高められます。
⑤ミットマン(ミットを持っている人)の攻撃
ミットマン側からの攻撃もやりやすいです。
つまり相手に防御をしてもらう訳ですが、これもキックミットに比べると小さいパンチミットなので色々と動かせます。
疑似攻撃を行ってカウンターなども練習できます。
4.パンチミットでの練習方法例
まぁ、ご参考までに
ちなみに持ち方は基本的にキックミットと同じですが、 手のひらが当たるポイントになります。
なのでパッと手を出すだけで攻撃指示になったりします。
練習方法例
【単発攻撃】
遠い間合いから突きを打ってもらいます。
刻み突きとか、逆突きなどを10本✖3セットとかですね。
蹴りも同様ですが、思い切りは蹴れないです。
でも連続で軽めのキックをする事はできます。
技のスピードと正確性を磨けます。
距離とか間合いを意識して打ってもらいます。
【コンビネーションの練習】
ボクシングと同じですが1回数分間
コンビネーションを重視したミット練習を行います。
基本的にミットの持ち手が指示をします。
特にバランスや攻撃終わりの構えなど、スキのない攻防を実戦感覚で身に着けられます。
パッと手を出して瞬間的に攻撃をしてもらいます。
蹴りの時は蹴りの構え(両手で構える)の時は、連続するとスピードを上げてもミスが少なくなります。
【カウンター練習】
ミット側が攻撃を行い、かわした後(もしくは同時)にカウンターを入れてもらいます。
ミットは片手で受けれますし、手の出しどころを少し変えたりするだけで、距離の使い方が重要になります。
5.まとめ
パンチミットについて、書いてきましたが自分の工夫次第で練習は色々とできると思います。
とにかく身軽にミットをつかえるのがパンチミットの良いところだと思います。
スピードと正確性とコンビネーション、距離とカウンターこれらの動きをパンチミットでより実践的で、効果的な練習を考えてみるのも楽しいかもしれません。
イマジネーションは大事です!!
攻撃側は全くの初心者ではあまり役に立ちません。
ちゃんと攻防を理解できる実力が付けば、パンチミットはきっと役立つと思います。
皆さんそうは思いませんか?