その日私は近所の海辺を散歩していた。
何気ない日常だった。
潮風は心地よく、波の音に心が癒される。
潮騒を感じながら午後の暖かな日差しを浴びていた。
磯の香りが懐かしい気分にしてくれる。
そんな時、ふと岩陰からの視線、、。
ん!?なにか可愛げなのが覗いているぞ!?
遠目から私を見ている。
どうやら海の生物らしい。
ラッコやオットセイなど、海の生き物は割と愛嬌のある動物が多い。
その動物は私を見上げて、愛くるしい眼差しを向けていた。
私はとりあえず撫でてみた。
顔のサイズは少々大きいが、確かに愛嬌のある顔だ。
私が撫でると目を閉じて心地よさそうだ。
ここで私は岩陰に隠れているこの生物について、あまりに無知だったと言わざるを得ない。
だが、次の瞬間それは突然飛び出してきた!!
顔の下に巨大な胴体が隠れていた!!
私は思わず仰け反り、尻餅をついた。
この見たこともない未知の生物に圧倒された。
私はそのまま一目散に逃げようとした。
それはそうだ。
今までの人生で見たことのない化物が現れたのだから。
私は命からがら這うようにして、逃げ出した。
しかし回り込まれてしまった。
その生物はあろう事か私の足に噛み付いた!
鈍い痛みが私の足に衝撃として伝わった。
これはやばい。
本格的にやばい。
人間真の恐怖を感じるのはこういうことなのだろう。
私の足に喰らいつく化物
私は絶望を感じながらも、生きるために戦いを挑むことにした!
この巨大生物はどうやら海辺に生息するであろう魚類、ないしは爬虫類の類だと思われる。
その見た目は、細長く蛇のような形態であった。
だが先ほどの私に対する攻撃から察するに、蛇のようにから見つけて窒息させるという戦い方ではないらしい。
純粋な口腔攻撃!つまり噛み付きだ!
異種格闘においての百戦錬磨の私だ。
奴が何かさえわかれば、いくらでも戦う手段はある!
もう一度思い返しみる
この生物、、、ヒレがある、、、。
色としては毒を持っていてもおかしくはない。
だが、さっき噛まれた時のダメージは、物理的なダメージのみで、毒系のダメージはない。
つまりコイツは、、、、魚だ、、。
つまり細長い魚!
コイツは、、、、アナゴだ!!
そしてこの特殊な色!!!
チンアナゴだ!!
私はクリチャーハンター!
あらゆる生物・動物に精通している。
この知識を活かして、多くの修羅場を潜り抜けてきた!!
アナゴについての知識思いだしてみる。
やつらは砂の中に基本的に入っている。
こいつらを引っ張り出せば、間違いなく勝てる!!
私は岩の中に身を隠しているこの怪魚に
ハイキックを打ち込んだ!
奴のちっぽけな脳を揺さぶるには十分な一撃だ!
所詮は魚類!
高度な知性を持たないながらも脳はある。
この一撃で圧倒的優位に立てた!!
グラついた巨大チンアナゴを私は、巣穴からひきずりだした。
岩に押し付けると全体像が分かった。
意外と短い、、、。
私はこの見掛け倒しの未知なる生物に対して更なる攻撃を加えた!
奴を引きずり出した状態でのミドルキック!
何を食ってきたかは分からないが、やつの内臓にダメージを与えるに十分だ!
全ての生物の臓器は鍛えられないものだ。
そして万物共通して弱点でもあるのだ!
明らかに動きが弱ってきた。
ゲームの「モンスターハンター」でいうところの、逃げ出そうとする場面だ!
私は更なる追撃に出る!
のど元にニードロップ!!
奴の呼吸をこれである程度止めることができる!!
のど元への攻撃は地獄突きと呼ばれる攻撃が有効だが、これだけ首が太いと流石にこれぐらいの強度がないと効かない!
だがこの一撃で奴の呼吸は乱れのたうち回り始めた!
私はマウントを取り、乱撃に打って出る!
奴の野生の戦意を喪失させ、いよいよトドメをさすのだ!
鈍い音とともに、顔面を貫く私の拳!!
私は勝利を確信した。
最後の一撃はいよいよ最後の一撃だ!
私はこの奇妙な生物に最大の効果が出せる技!!
ジャーマンスープレックスをブチかました!!!
この長細い魚は、それで動かなくなった。
横たわる巨大な怪魚を見下ろし、私は岩にもたれかかった。
激闘だった。
だが、勝てた!私は勝ったのだ。
私はどんな相手にも負けない。
そして私は思った。
アナゴといえば蒲焼だが、、、これは食べられるのだろうかと、、、。
クリチャーハンターの戦いは続く!?
※本記事における苦情・ご意見等一切受け付けておりません。悪しからず(;´Д`)