ボクシングとキックボクシングの違いってなんだかわかりますか?
同じボクシングの名前がついているものの、結構違うものです。
1.ボクシングとキックボクシングの歴史
ご存知ボクシングは非常に長い歴史のあるスポーツです。
その歴史はなんと古代エジプトの象形文字に書かれていたり、古代オリンピックの正式種目であったりと紀元前数千年前から既に存在していたようです。
一方でキックボクシングは以外にも日本発祥のスポーツで、1966年に野口修、山田辰雄という人物によって考案、創設されたものだそうです。
タイの国技であるムエタイや空手などを元にしているようですね。
そう考えると意外と新しい競技であると思います。
ちなみにキックボクシングの元になった、ムエタイは1584年頃。
日本で言うと戦国時代位ですね。
2.ボクシングとキックボクシングのルールや特徴の違い
それではボクシングとキックボクシングのルールや特徴の違いとはなんでしょうか?
2-1.ボクシングとは
ボクシングの特徴を羅列します。
・拳のパンチで殴り合うスポーツ
・グローブを着用
・攻撃は相手の顔、ボディに対し行う
・リングシューズを着用
・リングの中で戦う
・パンチの連打を用いて脳震盪を起こして倒す
・1ラウンド3分で1分休憩
・世界戦とかだと12ラウンドの長丁場
・勝敗はKO以外は判定となる
・様々な階級に分かれている
2-2.キックボクシングとは
キックボクシングの特徴を羅列します。
・拳のパンチで殴り合うスポーツ
・キックで攻撃する
・ヒザやヒジの攻撃も存在する
・攻撃は相手の顔、ボディ、太ももに対し行う
・グローブを着用
・裸足で戦う
・リングの中で戦う
・パンチの連打を用いて脳震盪を起こして倒す
・キックを打ち込んでダメージを与えて倒す
・1ラウンド3分で1分休憩
・大体3ラウンドか5ラウンド
・勝敗はKO以外は判定となる
・様々な階級に分かれている
キックボクシングの青字の部分が、ボクシングとの違いですね。
3.ボクシングとキックボクシングの違い
実際に2つの競技を体験してみた感想です。
当たり前と言えば当たり前ですが、ボクシングは手のみの攻撃ですが、キックの場合文字通り「キック」を打つ事ができます。
パンチも当然使いますが、スキあらばキックを打ち込みます。
このキックがあることを前提にキックボクシングは試合をするため、色々と違ってくる事があります。
私の体験・経験だけの話なので、他にも色々と違うと思います。
3-1.パンチ系の技の違い
同じボクシングと名がついているので、パンチについてはほぼ同じ感じだと思います。
キックボクシングを学ぶ上でも、ボクサーの先生に習ったりします。
但し細かいところで、少しだけあったりはします。
例えばフックの時に前足のカカトを回してパワーを出すとか、回さないでキックに繋げるとか多少の違いはあったりします。
3-2.防御の違い
ボクシングは基本的にパンチのみなので、キックに対する防御は必要がありません。
キックボクシングの場合は、ローキックやミドルキックのカットと言われる防御やハイキック、前蹴りに対する防御、さらにルールによってはムエタイ同様にヒザ、ヒジ、首相撲なども必要になる場合もありえます。
一方でボクシングでは非常によく使う防御技のウィービングという技があります。
頭をUの字に動かす感じの避ける技なのですが、これをキックでやるとキックやヒザを貰ってしまう可能性があるので、あまり使えません。
ボクシングでは、パンチだけで上下の打ち分けをする必要があるので、このウィービングという技はよく使います。
はじめの一歩のデンプシーロールも、このウィービングの連続技から繰り出すパンチですしね。
3-3.ステップの違い
ボクシングのステップワークは、伝統派空手のそれに近いくらいに実は間合いが重要です。
近い距離で打ち合いを演じる試合に人は熱狂するものですが、本来のボクシングは距離の取り合いに近いものだそうです。
つまり自分の距離にパッと入って攻撃、すぐに離脱るするという
所謂ヒットアンドアウェイが一般的なものだそうです。
逆にキックボクシングの場合は、ムエタイのステップのような人も結構います。
前足を少しだけ上げてリズムを取る程度のステップですね。
これは相手のケリ攻撃を受ける為とか、前蹴りを直ぐに打つためだとかいくつか理由があります。
ステップワークはそうは言っても当然あるのですが、ボクサーのステップワークとは結構違います。
キックの場合、ボクシングの動きで飛び込んでからのボディーとかを狙うと、膝を合わせられたりすると危険なわけです。
逆もしかりで、キックボクサーの構えとステップで蹴りがなかったら、ボクサーのスピードとステップワークについていく事は難しいです。
3-4.コンビネーションの違い
ボクシングとキックボクシングの違いで顕著なのは、攻撃パターンであるコンビネーションではないのでしょうか?
ワン・ツー・スリーの基本コンビネーションがあります。
ボクシングの場合
ジャブ、ストレート、フックのコンビネーションがあります。
キックの場合
これがちょっと変化して、
ワン・ツー・ローキック!とかワン・ツー・ミドルキック!
のコンビネーションになります。
もちろんキックのワンツースリーが、普通にジャブ、ストレート、フックであっても何の問題もありませんし、それも一般的なコンビネーションです。
ただキックの場合は、基本的にコンビネーションは蹴りで終われた方が良いと言われます。
ジャッジに与える印象が蹴りの方が印象に残りやすいようです。
コンビネーションは、人によってそれぞれ違いますが、蹴りの出し処は結構悩みます。単発ではまず当たらないし、空振りすると危機に陥ります。
3-5.戦い方の違い
戦い方は全然違いますね。
キックの方が技が多いから、ボクシングの方が簡単かというと全くそんな事はありません。
逆にパンチのみに特化していると言えるでしょう。
異常なハイレベルにまで技を高めないと、試合に勝てないと思います。
またキックの場合、ピンチになったら前蹴りでバリアを張るだとかやはり特色を活かした戦い方があるのですね。
お互いのパンチのみですと、なかなかそのきっかけがつかみにくかったりします。
プロやトップのアマチュアボクサーとスパーリングをすると、そのスピードに驚きます。
はじめの一歩の「宮田くん」みたいなイメージで、今そこにいたと思った瞬間数メートル後に居たりするのです。
キックの試合で、ボクシングテクのみで勝つことは、ちょっと難しいかもしれません。
またボクシングの場合は、パンチのみの攻撃ですので、そのバリエーションや崩し方たくさんあるのです。
4.まとめ
という事で、ボクシングとキックボクシングの違いについて書いてみました。
言葉は同じボクシングとは言え、その内容は結構違います。
それでも両方に共通している事もたくさんありますし、練習も同じものもたくさんあります。
神童那須川天心選手が、キックからボクシングに転向するなんていう話もあるとおり、格闘センスがあれば、それも夢ではないのでしょう。
事実キックボクサーの選手で元々ボクサーだった人も沢山います。
まぁ、結局のところ、どっちも楽しいのです!
コメント
キックはアップライト、、ボクシングはクラウチングが多いですもんね。総合でも構えで出身がなんとなくわかります。
ルールの違いでいえばボクシングはキックと違ってナックルパート以外での打撃は反則というのも追加した方が良いかもしれません!